表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/120

充電




深夜、居酒屋バイトから帰宅してサヤを起こさぬように玄関の照明だけを点けた。

就寝支度を終えてから、サヤの額のタオルを取って氷水で冷やし直してから再び当てる。




照明を落としてから夏掛け一枚の布団に入ると隣からモワッと熱が伝わる。

体温計を持っていないから正確な体温が測れない。

だから、頬に手を当てて熱を確認した。


すると……。




「颯斗さん」




サヤはうっすらと目を開けて僅かに聞こえるくらいの小さな声で名前を呼んだ。




「起きてたの?」


「はい。……今からお願い事を言ってもいいですか」



「うん、いいよ」


「手を握っててくれませんか」




カーテンの隙間から溢れている月明かりが寂しそうな瞳を映し出している。

見目麗しい彼女に自然と心が吸い寄せられてしまう。




「えっ」


「充電したいんです。一日でも早く元気になる為に」




俺は彼女の希望通り、布団から出ている手を握りしめた。


熱を帯びている小さな手は僅かに震えている。

俺に何かを訴えている訳じゃなさそうだけど、今はそういう気分なんだと思ってぎゅっと握った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ