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第20話 試験結果


『国立魔法学院』


王都にある創立200年を迎えようとしている由緒正しき学院。


数多のエリートを輩出してきたこの学院に入学するため、毎年多くの受験生が一堂に会する。


「すごい人だかりだな…」


すでに張り出されているであろう合否結果を見ようと、正門前に人々が密集している。


周りを見渡すと喜びのあまり飛び跳ねている受験生や涙を流している受験生がそこらじゅうにいる。


「大丈夫でしょうか…とても不安になってきました……」


「きっと大丈夫よ!今まで頑張ってきたんだから自分を信じましょ!」


緊張のあまり半泣きになっているエリスの両手をとって、笑顔でティナが答える。

が、その笑顔もどこか引きつっていて不自然だ。


「ティナの言うとおりだ。何もこの結果だけで人生全てが決まってしまうわけじゃないんだし」


「絶対受かってるあんたに言われたら嫌味にしか聞こえないわよ」


サポートしたはずなのに何故かティナに睨まれる。


(なんでなんだ…泣けてくるぞ)


そんな調子で人混みの中を歩いていると、合否結果が張り出されている横長の掲示板が見えてきた。

合格者300人の受験番号がズラッと並んでいる。


「なんだか私も怖くなってきちゃった…」


エリスと一緒になってソワソワし始めるティナ。


「ここまできたらもう神頼みだ。自分を信じよう。」


2人の前では余裕ぶっているが、俺も全く緊張していないというわけではない。


なにせ俺はこの学院の上位クラス、『グリーンクラス』に入ることを目標としてきた。

いくら俺でも簡単に『グリーンクラス』に入れるとは思っていない。


3人は深呼吸して掲示板を見た。


「………ありました…!!!」


エリスが手で口を押さえながら歓喜の声をあげる。


「323番……あった!!私もあったわ!」


ティナも無事自分の番号を発見し、エリスと一緒に手を取り合って喜ぶ。


「これからもよろしくね、エリス!」


「こちらこそよろしくお願いします、ティナさん!」


さっきまでの緊張が嘘だったかのように飛び跳ねる二人。


「あれ、アクセルは?どうせもう見つけてるんでしょ」

「アクセルさんもこれからよろしくお願いしますね」


二人が俺のところへ駆け寄ってくる。

しかし俺はその場で固まって動くことができなかった。


「…ない。127番の次が131番…129番がない………」


「!……」


絶望する俺の顔を見てティナが硬直している。


体が重い。

俺の実力じゃ『グリーンクラス』どころか『ホワイトクラス』にさえも届かなかったというのか。


これまでの努力は一体なんだったのだろうか…


「あっ…!!!」


エリスの高い声が響く。


「アクセルさん…ちょっとこっち、来てください!!」


俺はなんとか首を持ち上げ、エリスの方を見る。


エリスは横長の掲示板の左端のあたりでこちらに向かって手招きしている。


「ごめん、エリス。今はちょっと一人に…」


「いいから早く!!!」


仕方なく俺は重い足取りでエリスの方へと向かう。


「これ!!」


「………!」


____________________________________

国立魔法学院入学試験

成績優秀者をここに記す。


主席 受験番号129 アクセル・ベーカー


二席 受験番号 1 アルフレッド・ファン・オルレアン


三席 受験番号 207 ソフィ・ユトゥス


____________________________________

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