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ガイディックの提案を受けることにしたケイシーたちとギンジ。ガイディックが被害者たちとの面会をギルドの会議室を借りて行うことを取り計らってくれるそうだ。


ギンジが盗賊をしていた時に奪ってまだ売ったりしていないものもいくつかあり、それはそのまま返すことに。賠償金も十分な金額を用意して面会が行われる日を待っていた。






後日、面会が行われた。ギンジは床に頭を擦り付けながら誠心誠意謝罪し、許しを請う。盗賊をしていた時とは顔付きも違うギンジに被害者たちは戸惑っていたが、それをギンジの改心だと受け取ってもらえたみたいだった。


ただ被害者の中の1人がギンジの被害により小さいとはいえ何とか営んでいた商店を手放すことになったらしく、到底許せるものではないと鎮まらない怒りをギンジにぶつけていた。



ギンジの謝罪と賠償に納得してくれた被害者たちには帰っていただき、元商店店主とギンジたちは納得行くまで話し合いをすることになった。







ケイシーがふいに口を挟む。


「商店では何を売っていたのですか?」


「食い物だ。新鮮な野菜等が手に入ればそのまま売ったりもしていたが、主に野菜を長期保存するために塩漬けや酢漬けにして売っていた。あの時は大口注文があって喜んでたんだ。出来上がった商品を相手方に届ける途中で……。」


ギンジは土下座の姿のまま話を聞いていて、グッと唸っていたが、ガバッと頭を起こすと元商店店主に向かって言った。


「こんなこと言えた立場じゃねーのはわかってやす!けど、言わせてくだせぇ!お前さんから奪った野菜の塩漬け、めちゃくちゃ美味かった!盗賊してると食いモンてのは貴重で、お前さんの野菜の塩漬けは最高だった!」


手放しで急に褒められた元商店店主の表情に一瞬変化があったが、すぐに怒りの表情に戻ってしまいギンジに怒鳴り返した。


「そんなことを今更言われたってもう店も何もないんだよ!」


ギンジはケイシーたちに向き直り、頭を下げた。


「あの時食べた野菜の塩漬けは本当に美味かった!あっしの借金を増やしてくれて構いやせん!むしろ一生ダンナたちの元でタダ働きで構いやせん!なので、この人の店を再建できやせんでしょうか!」


「僕もそれを考えてました。僕の実家は野菜を作ってるんです。あなたが受け入れてくださるのならうちと取引きしてくださいませんか?ちょうど野菜の生産量も増える見込みがありますし、お店の再建も賠償として全面的にこちらが面倒を引き受けますので。」


元商店店主は腕を組んで考え込んでいる。元商店店主からしたら、ただ賠償金を受け取るより良い話のはず。やっぱりギンジが許せないのだろうか。


今まで黙っていたガイディックが口を開く。


「保存のきく食料でしたら、冒険者を相手にすると重宝されると思います。よろしければギルドも1枚噛ませていただきたいですね。」


ガイディックの言葉を受け、元商店店主は目の色を変え、怒りの表情が完全に消えていた。


「そうなんだよ!ウチの商品はウチが独自に研究を重ね長期保存だけでなく、味も保証できるものに仕上げたんだ!どこにも真似できない商品になったと自負している!あんた、本当に面倒を見てくれるって言うのか?ウチは今何もないんだ!ゼロからのスタートはウチの心をへし折ってくれたよ!あんたが面倒見てくれるならウチはあんたに免じてコイツを許してやるさ!」


ギルドも関わってくるとなると大口販路が確保出来たも同然で、自身の商品に自信があるからこそ商人魂に再び火が灯された。








こうしてギンジの謝罪と賠償は被害者側にも受け入れられ、ギンジは無事ケイシー家で働き続けられることが決まりケイシーたちは笑顔で帰宅出来たのだった。












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