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喧嘩に武器や道具を使う相手に遠慮なんかする必要はないな、と凪はブレることのない自分の信念を貫き、大斧を振りかぶってくる銀髪の大男に対し、一撃で決めてやる!と気合いを入れた。



「これで!…おしまいだッ!!」



振り下ろされた大斧をくるりと躱し、そのままの勢いで得意の回し蹴りを銀髪の大男の横っ面に叩き込んだ。



ぶっ飛んでいく大男。そうしたのは自分だとわかっているはずの凪も、自分たちのリーダーと凪の2人のやり取りを静観していた4人も、リーダーには敵うはずがないと凪を謝らせようとしていたふわふわパーマの金髪の男も、今この瞬間はみんな同じ顔をしていたのではなかろうか。


ただ唖然とぶっ飛んでいく銀髪の大男の行方を見守っていた。




けっこうな飛距離を記録した大男の着地点に、最初に我に返った赤髪の女が甲高い悲鳴をあげながら駆け寄って行った。


その悲鳴を合図に次々と我に返った茶髪たちも、慌てて赤髪の女に続き銀髪の大男へと向かって行く。


その場に残された凪とふわふわパーマの金髪の男。凪は大男が駆け寄ってきた他の奴らに揺さぶられ、動きを見せたことで死んではいないなと一応安心し、あんな大男をぶっ飛ばせた己の蹴りに違和感を感じていた。


金髪の男は凪の隣でまだ放心している。





リーダーである銀髪の大男を一撃で戦闘不能にした凪を恐怖の対象として置いてしまった4人は、今まで自分たちの下に見て、馬鹿にしてきたふわふわパーマの金髪の男がどうやらその恐怖の対象と繋がりがあるらしいと結論付けて、その場から逃げ出す算段をアイコンタクトで交わしていた。


まだ意識が混濁しているリーダーを抱えて逃げ出すしか方法はないが、いかんせん大男である。このリーダーが居なくては彼らのパーティーは成り立たないため、見捨てる選択肢はあり得ない。最早これまでか…と凪の様子をチラリと伺う。




凪は大男にも他の4人にも関心を向けてはいなかった。放心状態が回復していない金髪の男を心配そうに見つめているだけだった。



意を決して茶髪の男が1人、凪とふわふわパーマの金髪の男の方へと歩いていく。戦うつもりはないことを証明するため、両手をバンザイの形で近付いて行った。




話が出来る距離まで近付くと凪たちに声をかける。


「オレはこのパーティーの副リーダーだ。えっと、アンタはそこのケイシーと知り合いなのか?」


「ケイシーって誰だ。」


予想外の答えに副リーダーの茶髪の男は驚き過ぎて何も言葉が出て来なかった。








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