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ギルドに着いたケイシーたちは受付に声をかけるといつも通りに個室に通される。3人ともちょっと緊張した面持ちでガイディックを待っていた。
個室の扉が開き、ガイディックが入ってきた。
「お待たせ致しました。ケイシーくんから大まかな報告は受けましたが、詳しい話をお聞かせください。」
いつもより厳しいように感じるガイディックの言葉に3人はさらに緊張を深めた。
「3人で話し合ったのですが、盗賊討伐クエストはキャンセルにしてください。違約金もお支払いします。ギンジは責任を持って僕たちで監視します。」
「ギンジとは?」
「あ、そうだった。僕の元パーティーのリーダーの盗賊頭してたアイツのことです。」
ガイディックは目頭を押さえてため息をついた。
「私は反対です。危険極まりない。アイツが改心するとは到底思えません。大人しくしているうちにギルドに引き渡していただきたい。そうすればキミたちは違約金など払わずに済みますし、アイツも2度と外には出しませんので。」
「それが嫌なんです。今回、俺たちにやられたことでもう俺たちに歯向かうことはないはずです。俺たちはちゃんと決着をつけてきた上で、ギンジを雇って身近に置くんです。」
「そもそもケイシーくんはどうなのですか?あれだけ辛い目に遭わされていたのに、良いのですか?」
「僕はナギさんの計らいで言いたいことも言えましたし、ナギさんたちのお仕置き見てたらスッキリしましたから!」
「話の流れからすると、討伐はちゃんとおこなったということですか?アイツを説得しただけではないということですか?」
「おれの女神を使ったんすよ!」
「女神を?ちょっと詳しく話して下さい。」
「俺がギンジを立てないくらいにボコボコにしてから、圭司の女神で回復させて、それからまたボコボコにしてまた圭司に回復させてを繰り返して、3回目の回復でギンジが土下座してきました。」
「………それはまた…おそろしい…。」
ナギの話を聞いて顔を青くしたガイディックがやっと漏らした台詞がそれだった。
「それは、そうですね、うん。もう逆らう気は起こせないでしょうね。なるほど。女神の一撃にはそういう使い方もあるのですね。しかも3回連続で使えることもわかったと。なるほど。」
「だから、ちゃんと俺たちで監視しておくんで、何とかしてお願いします!」
ナギが頭を下げ、ケイシーとケイジも一緒になって頭を下げる。
「時間を下さい。えーっと、ギンジ?でしたっけ。彼がケイシーくんのお宅に着くのが2日後なのですよね?その頃に私がそちらに伺わせていただきますので、その時まで返事は保留とさせて下さい。」




