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朝が来た。各々が行動を取り始める。ケイシーたち3人は早々に出発した。
ケイシーの実家に着いて、ケイロンとシーティルに事情の説明をして、2日後くらいにギンジたちが来ることを話した。
3人はその後すぐギルドへと向かった。が、途中でケイシーが急に立ち止まる。
「ギルドに着く前に話しておかないといけないことがあるんです。」
「どうしたんすか?」
「今回の盗賊討伐クエスト、これでは達成にならないんです。頭であるギンジをうちで雇うことになったけど、他の盗賊たちは逃した形になってますし、ギンジがいなくなった盗賊は解散になるだろうとしてもです。」
「そうか。ギンジだけじゃなく他の盗賊たちもちゃんと逮捕しないとダメだったんだな。どうしたらいい?ケイシー。俺はこの国の法律とかわかんねーから。」
「ガイディックさんに相談してからになりますが、クエストをキャンセルして、違約金を払いましょう。今の僕たちには違約金を払っても蓄えはたくさんあります。」
「俺たちがキャンセルしたとしても、クエストとしては残るんじゃないか?」
「そこは実際に他の奴らが盗賊を続けたとしても、ギンジのいない盗賊は噂になってたほどの驚異ではありませんし、僕たちじゃない冒険者でも討伐できると思うので大丈夫でしょう。それに、クエストキャンセルの理由は達成にならないからと、もう一つあるんです。」
「もうひとつって何すか?」
「ギンジをギルドに引き渡せば達成になるんです。ギンジが盗賊頭だったので。でも、ギンジを引き渡したらギンジはもう牢屋から出られないと思います。僕はせっかくナギさんが色々お膳立てしてくれたのに無駄になっちゃうのが嫌なんです。」
「ありがとう。俺としてもせっかく改心させたのに、牢屋にぶち込むのはちょっとな。被害に遭った人からしたら牢屋に入れて欲しいだろうけど。」
「なので、僕としてはクエストをキャンセルしてギンジを責任持って監視するということで、ガイディックさんに話してみたらどうかと思うんです。」
「いいと思うっす!ケイシーがそう思うならそうしたらいいっすよ!」
ガイディックなら理解してくれるんじゃないかと期待して、ギルドへ向かう歩を進め始めた。




