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「え…どうしたんすか?この人。」
号泣している大男を3人は眺めていた。3人ともむさ苦しい大男を慰めるなんてごめんだと思って、少し離れて泣き止むまで待つことにした。
なかなか泣き止まない大男。そのうち凪と圭司にやられて倒れていた他の盗賊たちが起き出して、号泣している大男の周りに集まってきた。
大男は泣き止まないまま、凪たちに向かって再度土下座した。
「よろしくお願いします!オレ様を雇ってください!」
他の盗賊たちがギョッとして大男を見て、ざわざわし始める。大男は泣きながらさらに言葉を続ける。
「願わくば!こいつらも一緒にお願いしたい!」
凪たちが大男の言葉を聞いて、他の盗賊たちの意思を確認するように見渡す。まだざわざわしており、話の流れについていってないのは明らかだった。
「とりあえず、他の奴らが色々わかってないようだから、お前ちゃんと説明してやれ。」
凪が大男に言う。凪としても全員とまではいかなくとも何人かは大男について一緒に雇うことになるだろうとは予想していたため、大男の言うことに拒否はしなかった。
泣き止んだ大男の説明を聞いた他の盗賊たちの反応は様々だった。大男と一緒に働きたいという者、労働なんてクソだと盗賊を続けようと逆に大男を説得しようとする者、得体の知れない若造に雇われることに抵抗を示す者。
結局、大男と一緒に働きたいという者以外は解散して各々どこかへ去って行った。大男を含め12人いた盗賊のうち5人残った。大男以外4人である。
とりあえず今夜は盗賊たちが根城としていた洞窟で凪たちも泊らせてもらうことにした。今後の話をしたかったのもある。凪、圭司、ケイシー、大男の4人で話をする。
「明日起きたら、俺たちはひと足先に帰るから。」
「わかりやした!ケイシーさんの実家までは2日ほどかかるんでしたね?」
「ケイシーでいいですよ。あ、僕パーティーにいた時もリーダーの名前を教えてもらってないですよね?名前なんて言うんですか?」
「あー、名前…ちょっと長いんですわ。ドスラチョビッターコスマダトギンジネン。」
「「「は?」」」
「だから、ドスラチョビッターコスマダトギンジネンですって。」
「長すぎるでしょ…。」




