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「圭司!!」
真ん中で責められていた人物に向かって声をあげた。ふわふわパーマの金髪だが、顔の造形は圭司そのものだったため、凪は圭司が囲まれリンチされているように見えてしまったのだ。
6人組のうちの5人が、たぶん声をかけられたであろう真ん中に座り込むふわふわパーマの金髪の男に目を移し、代表するかのように銀髪の大男が口を開く。
「おい、役立たず。お前の知り合いか?」
大男にイラついたような声色で話しかけられ、ハッとしたふわふわパーマの金髪の男は何度も顔と手の平を横に振りながら、全く知らない人であることをアピールした。
銀髪の大男は凪に向き直り、睨みつけながら威嚇する。
「誰に向かってモノ言ってやがんだ?ここらじゃ見かけねー顔だな。どこのモンだ?」
大男の言葉に若干の冷静さを取り戻した凪は、やはりここは自分の住んでいたところではないのだと判断したが、それよりも今は圭司を助けてやらねば、と凪の中で目的を変更した。
「俺は鷲河中の凪。津雲 凪だ。お前らこそ、圭司に何してやがる。返答次第じゃ俺も黙っちゃいねーぞ。」
ただでさえ目付きの悪い三白眼に更に怒りを追加して睨み返せば、その威圧感にたじろいでしまった6人組。
銀髪の大男は年端もいかぬ少年に気圧されてしまったことを隠すように、顔を赤くして怒鳴りつけることで体裁を保つつもりで声を荒げる。
「あぁん?何ワケのわかんねーこと言ってんだよ!コイツはオレらのパーティーの荷物持ちだぜ!役立たずなコイツを優しいオレ様が使ってやってんだ!テメーにとやかく言われる筋合いはねーんだよ!!」
先手必勝とばかりに荒げた声に乗せて凪に殴りかかって行く大男。他の5人はその後の大男による一方的な鉄拳制裁を予想し、ふわふわパーマの金髪の男は顔を青くして目をギュッと瞑り凪から顔を逸らし、4人はニヤニヤと予想通りの展開になることを期待しながら見ていた。
何が起こったのか、凪以外はわからなかっただろう。
凪は殴りかかってくる大男の拳を難なく避けて、さらに勢いよく突っ込んできた大男の足を引っ掛けた。
凪の顔に叩き込むはずであった大男の拳は空を切り、足を掛けられたことで大男は派手にすっ転んでいたのである。
ニヤニヤとイヤらしい笑みを浮かべていた4人は餌を求める池の鯉のように口をパクパクさせ、目を見開き、平然としている凪と、いまだ何が起こったのか理解していないまま無様に転がっている銀髪の大男を交互に見やっていた。
そんなことを気にもせず凪は、まだ固く目を閉じて俯いているふわふわパーマの金髪の男に近付いて行く。金髪の男の周りにいた4人は、近付いてくる凪に恐怖を覚え凪が近付いてきた距離を同じだけじりじりと後退っていた。
凪がふわふわパーマの金髪の男に話しかけようとした時、後方から放たれる殺気に気付き振り返った。




