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その後、作ったばかりの通帳を受け取り、帰る時間になった。
「今日は検証にお付き合いくださりありがとうございました。またクエストを依頼しますので、よろしくお願いします。色々ありましたし、お気をつけてお帰りくださいね。」
ガイディックが丁寧に頭を下げた。ケイシーたちも「ありがとうございました。」と挨拶し、ギルドを後にした。
ギルドのある街から30分ほど歩いた時、やっぱりと言うか銀髪の大男が後ろから声をかけてきた。最初から怒鳴っている。
「てめぇ!!ごらぁ!役立たず!!待てや!」
ケイシーは振り返り、大男の姿を確認する。他のメンバーは見当たらない。1人で追いかけて来たんだろうか。
「僕に何か用ですか?僕はアナタのパーティーを抜けた人間です。何も用はないはずですが。」
「生意気言ってんじゃねーぞ!クソ役立たずがぁ!!」
大男の目には憎っくきケイシーしか映っていない。自身が殺気だっているため、ケイシーの隣で殺気を放っている2人にも気付いていない。
「役立たずのお前が!オレ様より目をかけられてるなんざ、認められねーんだよ!消えろ!!クソが!!」
ケイシーに殴りかかろうとする大男。
ケイシーと大男の間に2人が立ちはだかる。
勢いよく殴りかかってきていた大男は止まらない。
「うるさいっすね、お前。」
圭司が大男の拳をパシッと叩き、大男は自身の勢いのままベシャッと転ぶ。
「なんだ!なんなんだ!お前らは!」
「俺のこと覚えてないのか?」
凪の顔を見た大男は更に激昂する。
「お、おまお前は!あの時の!お前のせいでオレ様は!あの後のクエストをキャンセルするはめになったんだ!お前も許さねぇ!お前らまとめてぶっ殺してやる!」
「だから、お前うるさいっすよ。」
圭司が転んだままの大男の顎を蹴り上げた。
「ぐがぁ!!!いてぇ!いてぇよぉ!」
「いいっすね、いい実験になるっすね、お前。この程度の打撃なら女神は発動しないのかー。」
「じ、実験だと…!?」
「うん。実験っすよ。じゃ次いくっすよー。」
今度は胸ぐらを掴んで頬をグーで殴った。圭司にとったら半分くらいの力加減で。
「ぶふぅ!が、が、いたぁ、あぁ」
「よしよし。まだ女神は発動しないっすね。」
「や、やめ、やめへくれ…もう…」
「えー?まだまだっすよ?実験はこれからっすよ?」
「はひぁ、はひぃひッ…ヒッ………」
「あ。こいつ弱っ!気絶しちゃったっす。」
「コレ、どーしましょう?」
3人で気絶した大男を見下ろし、どうしようか悩んでいた。




