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部屋へ戻るとケイジとナギがテーブルの左右に分かれて、上で手を組み合っていた。
「何してるんですか?」
「腕相撲っす!!!ぐぎぎ…凪さんつえぇー!」
「圭司も昔より強くなってるな。俺も気が抜けん、、よっと!!!」
「あーーーーーまた負けたっすーー!!!
ケイシーおかえりっす!」
「ケイシーもやるか?腕相撲。俺は強いぞ。」
「おれも!おれもケイシーと腕相撲したいっす!」
ケイシーは2人の顔を見て心からホッとした。さっきまで銀髪の大男に絡まれて悔しくても黙って耐えるしかなくて、情けない気持ちでいたのに。
ガイディックに大げさに褒められて庇われ、ナギとケイジの楽しそうな雰囲気に癒されて、もう銀髪の大男とのことなんてどうでも良くなった。
そんな3人を微笑ましく見てガイディックは
「すみませんが、忘れ物をしてきてしまいました。もうしばらく3人でこの部屋で待っていてもらえますか?」
と言って部屋から出て行った。
それから3人は腕相撲をめいっぱい楽しみ始めた。
部屋から出たガイディックは、銀髪の大男の元へと戻る。大男はまだ顔を真っ赤に染めて怒り狂っていた。戻ってきたガイディックを見つけ、掴みかかる。
「貴様!オレ様が今までどんだけギルドに貢献してきたかわかってんのか!?あぁ!?なんならこんなクソギルドの冒険者なんて辞めたっていいんだぞ!!」
「では手続きいたしましょうか。登録解除の。」
「はぁ!?喧嘩売ってんのか!クソが!」
「血の気の多いアナタのことですからね。私は忠告しに戻ってきたのですよ。」
「忠告だぁ??どういう意味だよ!!」
「今後、ケイシーくんに怪我を負わせたり、不利益をもたらした場合、アナタは手続きの必要なく冒険者登録は解除。ではなく、除名されます。二度と冒険者として活動することは叶わなくなりますので、お気をつけ下さい。という忠告です。」
「なっ!貴様正気か!?あの役立たずが!!そんなわけねぇ!!オレ様よりあの役立たずが!?あり得ねぇ!!オレは認めねーぞ!!」
「アナタに認めていただかなくて結構です。私は忠告いたしましたからね?他のメンバーも私の忠告を聞いていますね?冒険者を続けたいのならば、ケイシーくんには手を出してはいけません。わかりましたね?」
有無を言わせない迫力のある笑顔に大男以外のメンバーがコクコクと頷いた。納得のいかない大男はまだ怒鳴り散らしていたが、他の4人に引き摺られギルドから去っていった。
固唾を呑んで見守っていた他の冒険者やギルド職員から拍手や歓声が起こる。みんな口々にスッキリしただのざまぁみやがれだの言っていたところを見ると、アイツらには大なり小なり迷惑をかけられていた人が大勢いたのだろう。
にっこりと微笑むとガイディックはケイシーたちが待つ部屋へ向かっていった。




