66
ガイディックはある程度の立場にいるギルド職員である。冒険者にも他の職員にも頼りにされていて、そこそこ名の知れたギルド職員なのだ。
逆にガイディックもだいたいの冒険者のことは把握しており、もちろん銀髪の大男のこともそのパーティーのことも知っている。
絶対に表には出さないが、ガイディックはコイツらのことが大嫌いだった。態度はでかいし、クエスト依頼者や他の冒険者、ギルド職員とも度々トラブルを起こす。
それでも、ランクBというそこそこの冒険者なため誰も強くは出られなかった。ガイディックも自分の出世のために特別扱いとまではいかずとも、それなりの扱いはしていた。
そして、ケイシーのこともあの時話しかけられる前から知っていた。銀髪の大男のパーティーに入る前から、図書館で熱心に勉強していたことも。
銀髪の大男のパーティーに入ったことで勿体無いと思いつつも、そこまで介入するほどではなかったが。
でも今はケイシーは自分の出世に必要不可欠な人間であり、当然ランクBの銀髪の大男よりランクEのケイシーのほうが大事な大事な冒険者なのである。
ケイシーを庇って何が悪い!むしろ、今までの鬱憤をこの機会に晴らしてやろう!
腹の中で黒い笑みを浮かべるガイディックがケイシーと銀髪の大男の間へと割って入った。
「おや、誰かと思えば。大きな魚を逃してくださった方じゃありませんか。」
「お前!ガイディックがなんでその役立たずと親し気にしてんだよ!」
「なぜって、私は彼、ケイシーくんの担当者ですから。」
「た、担当だと!?どうなってやがる!そいつは役立たずだぞ!オレですら担当なんて付いてねーのに!あり得ねーだろ!」
「やれやれ。相変わらずのようですね。ケイシーくんはとても努力家で勤勉で優秀な参謀ですよ。あなたのような力押しの冒険者では到底敵う相手ではありません。」
「な、な、なな、な…なー!!!」
「放っておきましょう、ケイシーくん。さぁ部屋へ戻りましょう。」
「え?あ、はい!」
言語まで無くしてしまった銀髪の大男をそのままに、ガイディックとケイシーはナギとケイジが待つ部屋へと戻っていった。




