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「え。どこだここ…。」


凪は、見知らぬ森と平野の境あたりで目を覚ました。


辺りをキョロキョロと見渡すも、全く心当たりも見覚えもない場所である。人影も凪の周囲には見当たらない。


どうしたもんかと腕を組み考え込んでみたところで、ぐうっと凪の腹が空腹を訴えてきた。



腹を摩り、そこでようやく凪は思い出す。


「あれ。俺、刺されたはずだけど。」


その時のことを鮮明に思い出すことは出来るのに、刺された痕はどこにもなく、着ている服にも血は付いていない。


夢か?刺されたのが夢か、今こそが夢の中なのか。だが、刺された感覚もハッキリ覚えているし、今が夢だとしても夢の中でこんなに腹が減るものなのか、と凪の頭は混乱していた。


今が夢だとしても、空腹を感じているのは事実なので、凪はとりあえずその場を離れることにした。サバイバルじゃあるまいし、森の中へ進む選択肢は凪にはなく、森を背に平野を歩いていくことに決めた。




しばらく歩いていると、アスファルトではないが整備されているような道にたどり着いた。車なのか、轍のようなものも見受けられる。ひとまずホッとした凪は、その道のようなものに沿って歩いて行くことにした。








見知らぬ土地で目覚めてから今まで、自分以外の人間を見かけることはなかったのだが、歩き続けていた道の先に6人ほどの人がいるのが確認できた。


近付いて、ここがどこなのか聞いてみようと凪は歩く速度をあげる。


6人の集団の会話が聞こえそうなほど近付いた時、揉めているような雰囲気に見え、声を掛けづらい状況かもしれないと思いつつも、自分の今の状況を知るためには何としても話をしなくてはと意気込み、足を進めた。





「おめーは他に役立つことがねーんだから、せめて荷物持ちくらいまともにこなせよ!」


「そうよ!リーダーの言う通りだわ!ほんっとに役立たずよね!アンタって!」


「す、すみません!頑張りますから!」


「おらおら!早くこっちの荷物も拾えや!」




やはり穏やかな状況ではないな、と6人組の会話を聞いていた凪だが、他の5人に囲まれて1人が何やら責められているようだと横目で確認する。


白に近いくらいの銀髪に『染めている』大柄な男と、燃えるような真っ赤な髪に『染めている』女。真ん中で責められている男はふわふわの『パーマ』と金髪に『染めている』。他のは濃い薄い様々な茶髪の集団。


ヤンキーである凪には、ある意味見慣れた光景だった。


しかし、硬派を気取る凪には許し難い光景でもあった。




「おい。何してんだ、テメーら。」



道を聞くために声をかけたとは到底思えないセリフと、許し難い光景に怒りを覚え、つい眼光鋭くなってしまった凪に6人組の顔が一斉に向けられた時、凪の目は驚きと追加の怒りを乗せた。







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