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ガイディックはケイシーとケイジが待つ部屋へと戻った。
「お待たせしました。」
ケイシーとケイジは何かを聞きたそうな、言いたそうな顔をしていたが、ガイディックはそれらに応えない話をし始めた。
「さて、今回の報酬についてですが、まずは討伐成功の基本報酬はこの後にすぐお支払いいたします。それから、素材報酬のほうは少々お時間がかかるので後日お支払いする形となりますが、ケイシーくんはギルド通帳をお持ちですか?」
「いえ、持っていません。今まで必要なかったので…作った方がいいですか?」
「そうですね。必ずしも作らなくてはいけないということはありませんが、素材報酬が決定した時にまたギルドまで来ていただくことになるので、今後のことを考慮すると作っておいた方が何かと便利ではあると思います。」
「なるほど…あ、でも僕の名前で作るんじゃなくて、ナギさんやケイジの名前でもいいんですよね?3人で相談して決めても良いですか?」
「もちろん。ではギルド通帳の件は保留としておきますね。次にキミたちの話をしましょう。」
凪は両手で顔を覆っていた。その顔は真っ赤に染まっていた。
「俺……すげーカッコ悪りぃ…」
凪はガイディックに言われたことを思い出していた。今まで自分は喧嘩に武器や道具を使わないことを信念とし、それを貫いてきた。
そうだ。ガイディックが言う通りその信念は『俺の信念』であって、他者に強要するのは間違いだ。
実際、あのデカいヤツをケイシーの魔法だか手品だかがあったから倒せたのは事実であって、ヤツを倒すのに集中していたとはいえ、倒せた瞬間はケイシーのそれを認めていたはずで…
「圭司はもうケイシーの魔法だかを認めて受け止めているんだろうな。すげーやつだよ、圭司は…。それに比べて俺ときたら…はぁ、恥ずかしくなってきた。」
顔を覆っていた両手でパン!と両頬を叩き、気持ちを入れ替えるための儀式のようにした。
「…よしっ!!!もう大丈夫だ!」




