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「ナギさんの相談を聞く前に僕に話をさせてください。」
ケイシーは噂話ですけど、と前置きしてから『転来人』のことを話した。ケイシー自身、転来人のことは噂話でしか聞いたことはなく、実際に会ったりしたことはない。
「以上が転来人に関する、僕が知っている噂話です。僕としてはナギさんとケイジが転来人である可能性はとても高いと思っています。」
ケイシーの話を聞いて、ナギもケイジも黙りこんでいる。ケイシーもケイシーで、転来人であるかどうかを何とか確認する方法はないかと考えていた。
「そうか。俺たちはきっと神隠しにあったんだな。」
「神隠しっすか?あの都市伝説の?」
「そう。だからココは俺たちが住んでいたところではないんだ。車やアスファルトも見かけなかったし、違和感はあったんだ。」
「まじっすか!車がないなんて信じられないっすよ!」
「圭司はずっとケイシーの家にいたんだったな。」
「そうっす!外には畑しか行ってなかったんで、普通に田舎のどこかだと思ってたっす!」
「のどかで良い所だな。」
「そうなんすよ!ティルさんもロンさんも良い人たちだし!畑手伝うのも楽しかったっす!」
「そうみたいだな。ケイシーもいい奴だし。」
ポンポンとテンポ良く会話する2人を本当に仲の良い2人なんだなぁと羨ましく思い、転来人の話はどこにいったんだろうと遠い目をしているケイシーであった。




