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ケイロンの爆弾発言に対してナギは答えず、考え込んでいた。その様子をじっと窺うように見守るケイシーとニコニコ見守るケイロンとシーティル。
長くはない時間の後、ナギは答えた。
「ケイシーと相談したいです。」
「え?僕と!?」
想定の範囲外のナギの答えに驚き戸惑った。そこに僕の意見は必要なのだろうか?ナギとケイジで決めることでは?もしかして、ケイシーとケイジを言い間違えた?戸惑ったままのケイシーに凪から話しかける。
「今圭司が泣き疲れて寝てしまったんだ。圭司が起きたらケイシーと3人で話がしたい。」
「わ、わかりました。大丈夫です…。」
ケイシーはあることを思い出していた。ナギは転来人かもしれないということ。ナギが転来人だとしたらケイジも転来人である可能性が高い。ナギはひょっとしてそれらのことに気付いている?
転来人のことをナギに話すか迷っていたが、ケイジもとなると秘密にはしておけない。
今後のことは転来人の話をナギとケイジに話してから、それから考えるべきことだ。
(僕はバカだ。転来人なら右も左もわからない世界に突然来たんだ。不安じゃないはずがないのに…僕は自分のことしか考えられないバカだ!!)
圭司が目を覚ますのを近くで待っていたい凪はケイシーを連れてすぐ部屋に戻ろうとした。
農作業がまだ途中だし、と思って両親を振り返ると笑顔でケイシーとナギに「いってらっしゃい」と手を振っていた。
笑顔の両親に笑顔で返事代わりの頷きを送るとナギの後に続いて家へと戻った。
ニコニコとナギとケイシーを見送るシーティルがボソッと…
「青春ねぇ。若いわぁ…眩しいわぁ…素敵だわぁ。」
「素晴らしいね。是非とも色々関わりたいものだ!」
シーティルの呟きにケイロンが力強く応えた。平和な空気がそこにはあった。




