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両親と話し終えたケイシーは、両親と共に畑の作業を手伝っていた。久しぶりに携わる農作業は大変だったが、懐かしさも相まってとても楽しい気分だった。
楽しく農作業しながらも、ふとした瞬間に家の方へ視線を向けてしまい、どうやっても2人のことが気になってしまう。
ひとしきり泣いた圭司は、泣き疲れて寝てしまっていた。凪は寝ている圭司をしばらく眺めていたが、圭司との再会に気を取られている間にケイシーが見当たらないのに気付き、探しに行くことにした。
とりあえず、最初に招き入れてもらったリビングの方へ戻り、そこにもケイシーが居ないことを確認すると外に出る。玄関から出て辺りを見渡すが、そこからもケイシーのことは確認出来なかった。
家に沿って玄関からぐるりと歩いてみると、家の裏側には野菜畑があった。ケイシーを探すと作業している3人の姿をすぐ見つけられた。
「ケイシー!!」
ナギの呼びかけに3人とも反応して声のする方を見る。ケイシーはドクンッと一瞬心臓が高鳴る。2人は今後どうするのだろう、やっぱり自分はもう…。
鼻の奥がツンとするほど寂しい気持ちを抑え、ナギの元へと向かう。
「ケイジさんと会えて良かったですね。」
自分の感情を抑えて、努めて明るくナギに声をかける。
「あぁ。ケイシーのおかげだよ。本当にありがとう。」
ナギは深々とケイシーに頭を下げた。それを見たケイシーは次に続くのは別れの挨拶かもしれないと思うと怖くて声を出さずにいた。
遅れて、ケイシーの両親がナギとケイシーのところに到着した。
「アナタがナギくんと言うのね?
初めまして。ケイシーの母、シーティルよ。
こっちはケイシーの父、ケイロン。」
「初めまして。俺は凪です。俺のことは圭司から?」
「そうよー。ケイジくんったら、ナギくんの話ばかりしていたのよー。ケイジくんから聞いて、私たちもナギくんに会ってみたいと思っていたの。会えて嬉しいわ。」
シーティルとナギが挨拶しているのを黙って見ていたケイシー。誰とでも和やかにすぐ仲良くなれる母を凄いなぁと尊敬していた。
「初めまして、ケイシーの父ケイロンだよ。キミもケイジと一緒にこの家で暮らすかい?」
ニコニコしている夫婦と対照的に凪とケイシーはケイロンの言葉をなかなか飲み込めず、ポカンとしていた。




