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ナギとケイシーは街道を歩き続けていた。ナギは無表情でとっつきにくい雰囲気を纏ってはいるが、話しかければちゃんと答えてくれるし、見た目に対して感じたものとは違う印象をケイシーは抱き始めていた。
「へぇー。ケイジくんはそんなに僕とそっくりなんですか?会ってみたいものですね。」
「あぁ。お前が圭司じゃないのがまだ信じらんねーくらいだからな。」
ケイシーは自分が間違えられたケイジという人物についてナギに質問していた。そんなにそっくりなんだろうか?気になるのも仕方ない。
ケイジのことが気になっているのは確かだが、ケイシーは本当はもっとナギに聞きたいことがたくさんある。ナギ本人のこともそうだし、スキルやなんかについても聞きたかった。
だけど、そういう踏み込んだ話はもっと仲良くなってからじゃないと、とケイシーは慎重に話題を選び親交を深めている段階だった。
「お前には悪いことをしてしまったと思っているんだ。」
ナギのほうから話しかけられ、その内容にきっと元パーティーのことだろうなとアタリをつけるも、とぼけることにした。
「僕、ナギさんに何かされましたっけ?」
「あ、いや、お前が気にしていないならいいんだけど。でも…すまなかった。」
あぁ、やっぱり元パーティーのことだなとケイシーは確信した。見かけによらず優しい人なんだな、とナギにますますの好印象を持った。
「俺がぶっ飛ばしてしまった奴の誕生日か何かだったんだろう。」
「は?」
なぜ急に誕生日という単語が出て来たのかケイシーは混乱した。どこかにそれと結びつくような会話ややり取りがあっただろうか?ぐるぐると考えを巡らす。
「パーティーをする予定みたいだったから。俺のせいで参加できなくなって、お前には悪いことをしてしまったと思っていたんだ。」
「えぇ!?パーティーってそっち!?」