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「…は?なにこれ?意味わかんねぇ…。
え?てか、ココどこよ?え?
いやいや、ちょっと待てよ?は?
なに?どゆこと?え?あれ…?」
圭司は動揺していた。何がなんだかわからない状況で、思いつくままに疑問を口にした。
「落ち着け〜、落ち着け〜おれ!
よし、いったん整理しよう!
えーっと、えーっと、あれ?
えーっと、なんだっけ?ん?
……そうそう!そうだ!
おれ、死んだんだよ?ね?え?」
全く落ち着いていないし、整理も出来ていない。とりあえず立ち上がって周囲を見渡してみる。
「畑…だな。うん。これ、何の畑かな?」
どうでもいい疑問に行き着いてしまった圭司。まだ動揺しているようだ。
現実逃避するかの如く、畑の中で立ち尽くす。そのまま動かず、ただただボケーーーっと畑を眺める。
どれだけの時間そうしていたかわからないが、畑の中にいるという事実に変化はない。ワナワナと震えが起こる。圭司は思いの丈を叫んだ。
「まじで!意味わかんねーんだけどーーー!!!!」
圭司の心の叫びが畑の中に響き渡り、その声が畑の持ち主であろう中年夫婦の耳に届いた。
中年夫婦は突然聞こえた叫び声に驚愕し、顔を見合わせた。先程までは畑に自分たち以外の人影はなかったはずで、日課の畑作業に勤しんでいたのだ。
あまり裕福とは言えない生活ではあるが、仲良く農業を主として不穏な事とは無縁で、見本のような平穏な日々を過ごしていた夫婦は、降って湧いた不測の事態にどう対応するのが良いのかわからず、戸惑っていた。