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寝る前恒例の3人によるおしゃべりタイム。
「それにしてもケイシー、よくガイディックさんを説得できたな。」
「粘り勝ちってやつっすか?」
「いや、僕たちを拒否するよりも帰国できない状況が随分とストレスになってたみたいでしたよ。」
「結局、なんでガイさんはおれたちを拒否してたんすか?昨日言ってたダークウルフのせいっすか?」
「ガイディックさんが帰国できない理由がダークウルフっていうのは正解だったんですけど、僕たちを拒否する理由は別のことだったんですよ。」
「「別のこと?」」
「はい。どうやら隣国のギルドにガイディックさんの腐れ縁のような同僚さんがいるみたいで、その同僚さんに僕たちを絶対会わせたくなかったようです。」
「なんなんすか?そんな理由であんなケチケチガイさんになってたんすか?」
ケイジが呆れたように顔をポカンとさせていて、ナギは苦笑いをしている。それを見てクスッと笑ったケイシーが話す。
「ガイディックさんからしたら、ナギさんとケイジは奥の手ですからね。僕たちの安全を考慮してのことですよ、きっと。」
「まぁ、最終的には隣国に行けるようになったしな。俺は楽しみだよ。」
「おれだって楽しみにしてるっすよ!それに、マイコリーさんが一緒っすから、馬車に乗って行くんすもんね!」
「マイコリーさんは商談に行くんですから、もしかしたら馬車じゃなくて荷馬車かもしれませんね。野菜の塩漬けや干し肉も持っていくでしょうし。」
「荷馬車と馬車は別もんなのか?」
「馬車は人を乗せることが目的ですし、荷馬車は荷物を乗せることが目的ですからね、形からして違いますよ。」
「トラックと乗用車って感じっすかね!」
「あぁ、それならわかりやすいな。」
「じゃあ、おれたちはそのトラックには乗らずに歩いて行くってことすか?」
「そこはちょっとマイコリーさんと話してみないとわかりませんね。馬車にも少しなら荷物乗せられますし、馬車で行くかもしれませんしね。」
ケイシーは最近、ナギやケイジの口から出てくる異世界の単語をスルー、もしくは脳内変換して会話をする癖がついてきていることに自分でも気付いていないのであった。