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ガイディックと魔道具でやり取りをしているケイシー。その周りをそわそわウロウロしている凪と圭司。
「なかなか許可してくれませんね。ガイディックさん…。」
「なんでなんすかー!理由も言わずにダメダメばっかじゃないすか!ガイさんのケチ!」
「マイコリーさんの護衛作戦も駄目だと言われてしまったしな。頑固だな。」
隣国に行きたいというのをガイディックは頑なに許してはくれない状況にやきもきしている3人。
「もう!オレ畑の手伝いに行くっす!ケイシー!頑張ってガイさんを説得して!頼むっす!」
「俺も畑に行くよ。悪いがケイシー、あとは頼んだ。」
「わかりました。何とか許可をもぎとってやりますよ!」
珍しくギラギラした意欲を見せているケイシーは魔道具にかじりついたまま、凪と圭司に返事をした。
ケイシーは考える。ガイディックが理由も言わずにここまで拒否するには何らかの意図があるはず。
ガイディックは自分たちを隣国に関わらせたくないのではないか?そしてそれはきっと、ナギとケイジが『転来人』だからだろう。
もしそれが理由なのだとしたら、3人が隣国へ行くだけでも何かしらのトラブルに巻き込まれてしまう可能性があるため、頑なな拒否に繋がっているのじゃないかと。
ナギとケイジの存在が公になってしまうことはケイシーだって避けたい。
思い立ったケイシーは別方向からの情報を集めてみることにした。街にある図書館へ向かった。ナギとケイジも一緒に行くと言ったが、図書館へ行くだけだからと2人の同行を断った。
「よしっ!やるぞー!」
気合いを入れたケイシーの目の前には、ここ1ヶ月分の新聞が山盛り状態で置かれている。日付の古い順からどんなに小さな記事でも見逃さず、隣国の情報を書き出していった。