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「「海!?」」
ナギとケイジが喜びを含んだ声をあげる。
「そうなんです。次のクエストが海なんですよ。だいぶ距離がありますし、最低でも2週間は家を留守にすることになりますが、どうします?」
「おれ、海ってナマで見たことないんすよ!行ってみたいっす!」
「俺も見てみたい。」
「えへへ。良かった!僕も海には小さい時に1度行ったきりだったから、行きたいと思ってたんです。クエストのついでに観光もしてきちゃいましょう!」
「おれ泳ぎたいっすー!」
「圭司、泳げるのか?」
「失礼な!たぶん泳げるっすよ!たぶん!」
海と聞いただけでテンションが上がってしまった3人は魔道具でガイディックにクエストを受けると返事をするとケイロンとシーティルに長い間留守にすることを告げた。
まだ畑も広くなりきってはいないので農作業のほうも問題なさそうだと言われ、ホッとした。
今回はジルレンシーの干し肉とマイコリーの野菜の塩漬けももらって旅立つことになった。
「「「いってきます!」」」
家を出るとすぐに支援魔法のナギアップバージョンで旅路を急いだ。3人とも海が楽しみで仕方なかった。道中も海の話で盛り上がっていた。
「魚とか食えるんすかね?エビとかカニとか食いたいっす!」
「ここらは海から遠いですからね。魚とかは滅多に見ないけど、きっと海の街なら食べられますよ!」
「俺は焼き魚が好きだ。塩だけのシンプルなやつだな。」
食い気がメインの話ばかりしながら、凪と圭司は前の世界でも見たことのない海にワクワクしきりだった。
野宿をしたり街や村で宿に泊まったり、特に問題なく海の街へと向かっていた。