俺は絶対にお前を超えてやるから待っていろ
異世界勇者が世界を救った後の物語ってどんな感じになるかなぁと思い書いていきます。
初めて小説というものを書くのでよろしくお願いします。
【異世界召喚魔法】
8名の賢者が集い10日かけ行う大魔法である。
この大魔法により召喚される者は召喚の影響で何かしらの強大な能力を身に付ける。
80年前に召喚された者は空間を切り裂く能力を身に付けていた。
召喚された勇者は仲間とともに死闘の末魔王を倒し、この世界に平和をもたらした。
勇者は元の世界に戻れないと知ると、国王の勧めるまま姫と結婚し、勇者の仲間達もそれぞれ領地を与えられた。
時は経ち、勇者の子孫が王となり国を治める。
これはそんな時代の話である。
畑仕事をさぼりながら今日も俺は空を見ていた。
青い空や行き交う小鳥たち。
遠くでは牛の鳴き声や街道の石畳を通る馬車の音が聞こえてくる。
俺は退屈なこの毎日が割と好きだった。
「あー!またサボってるなー!」
幼馴染のルカと話すのも毎日が好きな理由の一つだ。
「サボってるんじゃないって。瞑想と睡魔の間のだな・・・」
「魔法特性あるからって適当言うなっ」
寝そべる俺の横に腰掛け笑いかけてくるルカが本当に俺は好きだった。
お互い年も同じで家が隣、子供が二人だけな村で遊ぶ相手はルカだけだった。
小さい頃はケンカしたり冒険ごっこをしていても、思春期になればお互いを意識し始めるのは必然だった。
「おじさんがボヤいてたよ。畑手伝わないんだったらせめて魔法の勉強して領主様の魔法師団に入って金入れろって」
気のない返事ではぐらかしていたが俺には考えていることがあった。
だがルカには話せない。
話してもきっと信じてはくれないだろう。
「まぁ勉強はボチボチやってるからそのうち領主様の所に試験受けに行くさ」
ホントかなぁなどとちっとも信じてくれそうにない彼女を見ながら俺は立ち上がる。
「それでさ、魔法師団入って一人前になったらルカを俺の・・・ゴニョゴニョ」
「ん?俺の何?」
お互い意識はしているとは思うがもしかしたら俺だけのものかもしれないと気が付き言い淀んでしまった。
「だからールカは力がゴリオみたいに強いから俺のボディーガードにしてやるよ」
笑顔の俺に向かって彼女の非の打ちどころのないボディーブローが飛んできた。
悶絶する俺にバーカと言葉を浴びせルカはがに股で肩を怒らせながら畑仕事に戻っていった。
夕食も済ませ窓の向こうには数本の松明の明かりと月明り。
段々と家々の話し声や笑い声が聞こえなくなり、害獣警戒で巡回している大人の足音がするだけになった頃、俺はこっそりと森の中に入っていった。
「おーい・・・おーい・・・どこだーご飯持ってきたぞー」
近くの茂みから、小さな影がそっと出てきた。
「遅い!てっきり忘れ去られたのかと思ったぞ!」
ぶつぶつ文句を言いながら俺の差し出したご飯を必死に目で追うこの子と知り合ったのは半年ほど前だ。
森の中で魔法の鍛錬中、運悪く繁殖期のゴリオに襲われた俺を助けてくれたのがこのちびっ子である。
体こそ小さいが体術、魔法どれも俺以上の強さだ。
助けたお礼に御馳走するといったが、人目に付きたくないから夜に森の中にご飯を運んでほしいと言われ、それ以降こうして毎日ご飯を持ってきている。
モグモグ「さてと・・・腹も膨れたし今日も見てやるからそこに座ってまずは魔法力の鍛錬からだ」
地面に座り呼吸を整える。そして自分の中にある形のない力に向かって意識を高める。
「いいかい魔法とは有限である。人間、魔物、そしてかの魔王でさえ例外なく使える魔法には限りがある。だが己の魔力を鍛えれば上限は増やせる。上限を増やせば使える魔法も増えてくる」
ちびっ子の言う事は本当だった。
実際にこの半年で俺の魔力は驚くほど増えた。
コブシほどの大きさの火の玉を1日3回ほど飛ばせば尽きるような俺の魔力も、今では大きな酒樽ほどの火の玉を20発飛ばしても尽きないし、適性があった風魔法も使えるほどに成長していた。
「なぁミルル、俺今なら魔法師団受かるかな?」
「さんを付けろ!ミルルさんだ!まぁ今のお前なら魔法師団の試験には余裕で受かるだろう。だがお前程度の魔法を使うやつはゴロゴロいる。」
自分の力を試したい欲求を抑え俺はまた自分の魔力に意識を向けていった。
「プハー!疲れたーもう無理!世界が回ってる」
「今日はこの位で辞めておくか。こうして毎日続けていれば半年ほどで今の三倍には強くしてやる」
ミルルの言葉に嘘はない。今までの修行もすべて言うとおりにしてきてその通りの結果になっている。
俺は嬉しさでついミルルに抱きついてしまった。
何をしとんじゃエロガキーーーー!!!!!!!
気が付くと朝になり俺は部屋で寝ていた。
拙い文章ですいませんでした。
そして後書き部分まで読んでいただけて感謝です。
物語はこれからどんどん加速していきます。
なぜ、主人公が勇者を憎むのかなど、今回の話の中にも伏線は多数含ませてますので、読者様に喜んでいただけるよう頑張ります。