1 プロローグ
常人なら決して辿り着くことすら不可能な秘境。
そんな場所で俺――アルベルト・クラウスはバケモノと対峙していた。
身体の前に構えた両手剣を必死に動かし、絶え間ない攻撃をしのぎ続ける。
戦いが始まって以来、防戦一方だ。息をつく間もない。
相手の動きを必死に追い続け、迫り来る攻撃に最小限の動きで応じる。それだけで精一杯だ。
それでも十分とは言えなかった。
亀の様に縮こまって防御に徹している俺だったが、ほんの少しの隙をつかれ、何度も手痛い一撃を叩き込まれてきた。
鋭い連撃をなんとか耐えきった。
一拍おいてやって来る上段からの振り下ろしに対処しようと、剣を寝かせて頭上に構える。
その瞬間、ガラ空きになった俺の胴に鋭い一撃が叩きこまれた。
「ううっ」
脇腹の激しい痛みに、俺は顔を歪める。
だが、ここで気を抜いたら、容赦なく追い打ちをかけられる。
痛みを堪えつつ、バックステップ――相手から距離をとった。
俺が装備しているのは、いわゆる『神話級』と呼ばれる鎧だ。
神話級の防具など、世界中を見渡しても両手で収まる数しか存在しない。
売りに出したら、小さな国が買える値段がつくと言われるほどだ。
そんじょそこらのモンスターの攻撃なんか受けても、痛くも痒くもない。
ほとんどの魔法攻撃を無効化し、ドラゴンのブレスを受けてもノーダメージ。
その上、重さを全く感じさせないどころか、装備することによって敏捷性が大幅に上昇する。
そんな――存在自体が反則なシロモノだ。
けれども、目の前のバケモノには全く通用していない。
さすがは神話級だ。鎧自体にはかすり傷ひとつついていない。
しかし、相手の攻撃は鎧越しに痛烈なダメージを与える。
何度も叩きこまれた攻撃によって、俺の全身は打ち身だらけでボロボロになっていた。
普通だったら、これだけでもありえない出来事だ。
だが、それに輪をかけてありえないことに、この相手がその手に持っているのは『ただの棒きれ』だった。
そこら辺に落っこちている、ちょっと力を入れたらポキって折れちゃう、なんの変哲もない、ただの棒きれだ。
それを鼻歌交じりで軽く振るった結果がこのザマだってんだから、やってられるかっつーの!!!
「ダメじゃない、アルくん。こんな簡単なフェイントに引っかかっちゃ」
汗だくになってハアハアと呼吸を荒げている俺とは対称的に、汗ひとつかいていない彼女。
嬉々とした表情が、これまたしゃくにさわる。
先刻から俺と戦っていた彼女。
十代に見える若々しさ。
抜群のプロポーションに、名工の手による彫像のように整った美貌。
誰しもがその美しさに目を奪われる――と世間では言われてる。
しかし、俺は数少ない例外だ。
といっても、俺の美的感覚が世間からズレているわけじゃない。
客観的に見て彼女が美しいことは、俺も認める。
でも、俺が彼女に見惚れたり、恋愛感情を持ったりなんかするわけがない。
なぜなら――。
彼女の名は、リリア・クラウス。
単騎で先代魔王を討伐した伝説の勇者。
若く見える外見とは裏腹に、14歳になるひとり息子を持つ――俺のカーチャンだ。
「……自分を基準にすんじゃねー」
喋るのも辛い状態だったけど、意地だけで反論した。
簡単なフェイントとか言ってるけど、普通の人間があんな攻撃を避けられるわけないだろ。
「あらあら。そんなこと言ってー。大丈夫。アルくんなら、できるわよ」
「できねーよ。できるわけねーだろ」
「できるわよ。アルくんは私の自慢の息子なんだからっ」
「…………」
「じゃあ、そろそろ再開しようねー」
言うやいなや、数メートル離れていたはずのカーチャンの姿が掻き消え――とっさに身構えたが間に合わず、強烈な突きを食らった俺は仰け反った。
すげー痛え。
けど、痛みに気を取られている余裕なんかない。
続けざまに連続攻撃が打ち込まれてくる。
右から、左から。
打ち下ろしたと思ったら、払い上げ。
休みなく襲いかかってくる連撃を、俺は必死でさばき続ける。
これでカーチャンは全力の手加減をしてるってんだから。
もしカーチャンがほんのちょっと本気を出してたり、手に持っているのが金属製の剣だったりしたら、俺は今頃みじん切りにされてる。
ほんと、やってらんねー。
そんなことを考えていたせいで集中力が途切れた。
重い一発をもらい吹き飛ばされた俺は、そのまま地面に打ちつけられながら転がった。
「ほらー、まだまだいくよー」
離れた場所からカーチャンの呑気な声が聞こえてくる。
悔しいけど、このまま寝っ転がっていると容赦なく滅多打ちされる。
以前、起き上がれないフリをしている俺を「敵は待っててくれないよー」と笑顔でボコボコにしてくれたカーチャンだ。
全身に力を込め、剣を支えにしてなんとか立ち上がる。
10分も打ち合っていないのに、俺のスタミナはゼロに近い。ヘロヘロだ。
それにしても、さすがは神話級鎧だ。傷どころか、土埃ひとつついていない。
この鎧もカーチャンも非常識すぎる。
一般人の俺にどうしろっつーんだよ。
あー、なんか無性に腹が立ってきた。
もう、知ったことか。
「うおおおおおおおぉぉぉっ!!!!!」
怒りに身を任せ、叫びながら突っ込んだ。
策もなにも、あったもんじゃない。
「ヤケになっちゃダメだよー、アルくん」
大上段から力いっぱい振り下ろした俺の攻撃はいとも簡単にかわされる。
あっけなく反撃を食らった俺は、再度吹き飛ばされて意識を手放すことになった。いつもと同じ結果だ…………。
◇◆◇◆◇◆◇
目を覚ました俺は、カーチャンに膝枕されて、頭を撫でられていた。
こっ恥ずかしさに耐え切れなかったので、すぐさま飛び起きカーチャンから離れる。
「ヤメろよ、もうガキじゃないんだから」
「うふふ。そういう言い方が子供っぽくてカワイイんだよねー。アルくんは」
「うっせー」
「あらあら、照れちゃってー」
「照れてなんかねーよ、怒ってんだよっ!」
「怒ってるアルくんもカワイイんだからー」
そう言って俺の頭を撫でようとするカーチャンの手を、俺は払いのけた。
「いつまでも子供扱いすんじゃねえよっ! このババア!」
「――――」
俺の言葉を聞いたカーチャンが、より一層の笑顔を浮かべた。
それまで吹いていた風がピタッと止み、気温が数度下がる。
太陽まで厚い雲に隠れてしまった。さっきまで雲ひとつない快晴だったのにな。
「あっ、やべっ……」
「アルくん。おかあさんに向かって、なんてこと言うのかな?」
「あの、カーチャン、ごめん。ごめんなさい。ほんとにごめんなさい」
調子に乗りすぎた。
たとえ親子であっても越えてはいけない一線を越えてしまった。
笑顔が怖い。怖すぎる。冷や汗止まんない。
今さら何を言っても手遅れであることは知っているが、それでも全力で謝る俺。さっきの模擬戦より本気のソッコー土下座だ。
しかし、そんなのお構いなしに、カーチャンは俺の上体を軽々と引き起こし、両手で俺の口元を摘んで引っ張る。
「あらあら、悪いことを言うお口はこれかなー」
「ううう。おえんああいおえんああい。いあいいあい。おえんああい。いあいいあい」
痛みにのたうち回りたくても、カーチャンの手で抑えられていて身体が全然動かない。
死んだほうがマシだと思えるくらいの痛みの中、カーチャンの気が済むまでオシオキは続けられた――。
◇◆◇◆◇◆◇
「うー、痛ってえ」
カーチャンに引っ張られた口元がズキズキと痛む。
模擬戦で受けた傷は鎧の自動回復機能ですっかり治っている。
けど、こういうカーチャンのオシオキには、なぜかまったく機能しない。
自分で回復魔法をかけたり、回復アイテムを使ったりするのは、もちろんカーチャンに禁止されている。
数日は痛みが取れないんだから、本当に止めて欲しい。
「さっきの動きはね――」
俺が持ち直した頃合いを見計らって、カーチャンが語り出した。
毎回恒例である、模擬戦の検討会だ。
俺の動きについて、良かった所・悪かった所をカーチャンが指摘してくる。どう改善したらいいかのアドバイス付きだ。
ただ、カーチャンが言っていることはレベルが高すぎて、その発言内容のほとんどが理解不能だ。
カーチャンからすれば、なんで当たり前のことが通じないのか納得できないようだけど、俺からすれば「なんで二足歩行できないの?」って言われてるアリの気分だ。できるかボケ!
そんなわけだから、俺はこの検討会が好きじゃない。
カーチャンは俺の長所も挙げてくれるが、それでも欠点だらけの自分ってのを突きつけられているみたいで嫌いだ。
否が応でも、カーチャンは、勇者という存在は、俺なんかとは別次元なんだって思い知らされてしまう。
それに、そもそも俺は戦い自体が好きじゃない。
カーチャンは根っからのバトルジャンキーで「ねえねえ、アルくん。東の方に強い幻獣がいるみたいだから、ちょっと戦いに行こうよー」とか、気軽に言ってくる人だ。ちょっと近所まで遊びに行くみたいなノリで。
ちなみに、幻獣ってのは、魔獣――普通の人々がモンスターと呼ぶのは大抵こいつらのこと――なんかよりも、かなり格上の存在だ。ドラゴンなんかよりよっぽど強い。神族のちょっと下、精霊よりも上というのが幻獣の位置づけだ。
そんなのを軽々と倒して、「たいしたことなかったねー。がっかりだよー」とか言ってるから、マジで頭おかしい。
「でも、アルくんかなり動きが良くなってきたよー」
「ホントかよ。今日だって、10分も持ってないだろ。なにも変わってねえよ」
散々欠点を指摘された後だったから、そんなこと言われても気休めにしか思えない。
つい、イラ立ち気味に返してしまった。
「そんなことないよー。私の攻撃にちゃんと反応しようとしてたよー」
そう言われても、あくまで「しようとしてた」だけだ。反応できたわけじゃない。
「結局食らってるんだから、一緒じゃねえか。ワケも分からないうちにボコボコにされてただけだ」
「全然違うよー。自覚してなくても、身体が反応しようとしてたってのは凄いことらしいよ?」
なんで自信満々に言ってて、疑問形なんだよ!
ちゃんと自分の発言に責任持て!
「なにが凄いんだよ。全然わかんねー」
「うーんとねー。全く対処できずに攻撃を食らうにしても、身体が反応しようとしてるんだったら、後は反復練習でどうにでもなるんだって。剣聖のおっちゃんがそう言ってたよー。私にはいまいちわかんない感覚だけどねー」
剣聖ヴェスター。
剣の道をひたすら極め続け、誰もが辿り着けない境地にまで至った剣士の頂。
常勝不敗。その剣の前に立っていられる者はおらず、ドラゴンすら安々と屠る存在。
彼の前に道はなく、彼の後にも道はない。そう言われる最強無双の剣士――――だった。カーチャンと出会うまでは。
剣を握って一年も経っていなかったカーチャンが剣聖と出会い、戦って勝っちゃったんだって。
それもまた、普通じゃない勝ち方だったらしい。
剣聖を一撃で倒したとかだったら、カーチャンにしてはまだまだ許容範囲内だ。
だけど、カーチャンはやっぱりカーチャンだった。
カーチャンは自分からは一切攻めずに、剣聖の好きなように攻めさせた。「私が攻撃したらおっちゃん死んじゃうから、好きに仕掛けてきなよー」だとよ!
剣聖がどんな攻撃を仕掛けても簡単に受けて、「もっとすごい技見せてよー」ってせがんだそうだ。
それまでのカーチャンは剣技なんか考えたこともなかったんだって。
どんな相手でも、なにも考えずにテキトーに剣を振るだけで勝てたから。
だから、多彩な技を次々と繰り出す剣聖の相手をするのが楽しかったんだって。大道芸的な意味で。「あんまり強くなかったけど、楽しさで言えば今までで5番目くらいかなー」って言ってた。
楽しさのあまりに調子に乗って、途中から剣聖にアドバイスまで送り始める次第。
ちょっとは相手の立場とか考えてあげろ。
最終的には、12個の斬撃を同時に飛ばす剣聖の最終奥義を、カーチャンがその倍の24個の斬撃で全て撃ち落とし、剣聖が負けを宣言したそうだ。
剣聖が長年かけて生み出した最終奥義。
それを初見で、斬撃が飛んでくるのを見てから倍の手数に改良してカウンターで放ったカーチャン……。
しかも、飛ばした斬撃のうち半数は剣聖の斬撃と相殺させて、残りの半数は剣聖に当たらないように飛ばしたんだって。「外す方は簡単だったんだけど、ちょうど相殺するように手加減するのがちょっと大変だったんだよねー。間違ったら殺しちゃうからねー」だと。
挙句の果てには、カーチャンが剣聖の欠点を指摘してあげたから、剣聖はその場で16個の斬撃を飛ばせるようになったんだって。
長年の間研鑽を続けて、やっと12個出せるようにになった剣聖の立場をちょっとは気遣え。そう思ったけど、当の剣聖は「これでまた新たな高みを目指せる」と純粋に喜んでいるだけだったそうだ。
ちなみに、今のカーチャンなら何個まで飛ばせるのか聞いてみたら、「うーん、百個を超えてからは面倒で数えていないよー」だって。
カーチャンが俺相手に模擬戦をできるのは、間違いなく剣聖のおかげだ。
幾度となく剣聖の相手をしてきたから、カーチャンは「誰が相手でも怪我させずに打ち合う」っていうスキルを身につけられたんだ。
もし、そうじゃなかったら、俺はとっくに死んでるから、剣聖のおっちゃんには本当に感謝してる。
あの人も十分に人外で、いろいろと壊れた人格をしてる。
だけど少なくとも、剣に関しての発言は非常にまともで理にかなっている。
それに、説明もわかりやすい。どっかの誰かみたいに「ズバーンって行って、ドーンってやればいいんだよー」とか言わない。
だから、カーチャンが言ってることは信じる気にならないけど、剣聖の言葉だったら俺は信じる。
「ちょっと前のアルくんは、それすらできていなかったんだからねー。それだけでも十分な成長だよー」
実感はまったくないけど、少しは成長しているのか。
でも、全然うれしいと思えないな……。
「というわけで、反復練習だよー」
こっちの気も知らずに、ノーテンキなカーチャンだ。
まだまだ陽は高い。
カーチャンの気がすむまで、後数回はボコボコにされるだろう。
どうせ避けられないにしろ、少しでも後回しにしたい。
「もうちょっと休ませろよ」
「えー、やだー。早くアルくんと遊びたいもん」
「あれだけの攻撃を食らって、すぐに動けるかよっ!」
「もう回復したよねー。あの鎧便利だもんねー。あれのおかげで一緒に遊べて、嬉しいよねー」
「うれしくなんかねーよ!」
「また照れてるー。アルくんかわいいー」
「だいたい、なんでただの棒きれで神話級の鎧越しにダメージ与えられるんだよっ!! 理不尽すぎるだろっ!!!」
「うーん。愛のムチだからかな」
「…………」
「さあ、はやくやろうよー」
カーチャンに無理やり手を掴まれ、引き起こされかけたところで、天の救いが訪れた――。
「ふたりとも、お茶がはいりましたよ」
◇◆◇◆◇◆◇
リリア・クラウスはどこにでもいる普通の町娘だった。
だが、15歳で女神から啓示を授かったことにより、彼女の人生は転機を迎えた。
「勇者となって、魔王を倒し、世界を救う」
そう言い出した彼女に、両親は当然のように強く反対した。
彼女は魔獣と戦うことはおろか、武器のひとつも握ったことすらなかったのだから。
だが、リリアの決意は固かった。
そして、ひとたび剣を握ると――彼女は天賦の才を発揮した。
その才は、まぎれもなく神に愛されし者のそれだった。
剣を握って数カ月でその腕は至高の存在と呼ばれる剣聖を上回り、人々に害をなす魔獣や魔族たちを次々と打ち破っていった。
結果、当時世界を脅かしていた魔王をわずか一年たらずで討伐したのだった。
その後、数年間にわたって数々の偉業を成し遂げたリリアだったが、20歳になると突如引退を宣言した。
「子供ができたから、子育てに専念するねー。勇者辞めるけど、後はよろしくねー」
多くの人々が引き止めたが、彼女の決意は固く、決してその意を翻すことはなかった。
それから彼女は人里離れた地に隠棲し、それ以降公式に人前に姿を表すことはなかった――。
その時に身籠った子供というのが俺――アルベルト・クラウスだ。
引退宣言のとおり、それからの15年近くをカーチャンは俺の子育てだけに費やしてきた。
カーチャンの教育方針は極めてシンプル。
「息子を勇者にする」
――それだけだ。
俺はものごころがつく前から、「勇者修行」という名の虐待を受けてきた。
まあ、虐待という表現は物騒すぎるかもしれない。
親が子どもを厳しく育てるのは、必要なことでもあると俺も思う。油断してたらワリと簡単に死んじゃうこの世の中だし。
カーチャンだって、「俺が憎い」とか、「俺を傷つけたい」とか思ってやってるわけじゃない。俺を強くしたいだけだ。俺が簡単に死なないように。
カーチャンなりの愛情だってこと。そんなことは当の本人である俺が一番良くわかっている。
でも、いくらなんだって、限度だとか、常識だとかあるだろ!!!
虐待と呼びたくなる俺の気持ちは、さっきの模擬戦から察してくれ。
うちのカーチャンは滅茶苦茶でハチャメチャだ。
世界を救っちゃうような人間のスケールは尋常じゃない。
ただの棒きれで神話級鎧の上からダメージ与えるし。
ちょっと本気出したら山ひとつ消し飛ぶし。
一国の王様に俺の子守させるし。
小遣いとして渡されたのが白金貨だったし。
リゾート気分でベヒーモス退治に連れて行かれたし。
リヴァイアサンの蒲焼きを二人で平らげたし(大変おいしゅうございました)。
こんな感じで、価値観が一般人からかけ離れすぎている。
そのせいで、息子である俺は小さな頃から散々苦労させられてきた。
けど、そんなカーチャンでも俺のカーチャンだ。
俺にとっては唯一の肉親だ。
育て方はともかく、育ててもらったことには感謝しているし、カーチャンを嫌いなわけじゃない。
それに、ちょっとは尊敬している。いや、ほんのちょっとだけだぞ。
まあ、すげーことをした人なんだなとは思っている。
だからこそ、今までカーチャンに言われるまま、俺は勇者修行に打ち込んできた。
でも、俺は勇者になんかなりたいわけではないんだ。
戦いなんか好きじゃないし、カーチャンみたいに世界を救いたいなんてだいそれた望みももっていない。
俺はただ――モノづくりがしたいんだ。
修行の合間になにかを作っているとき。その時間が何よりも楽しいんだ。
単なる息抜きなんかじゃない。俺が本当に生きてるって実感できるんだ。
モノづくりに没頭しているときが、なによりも幸せな瞬間なんだ。
◇◆◇◆◇◆◇
「ふたりとも、お茶がはいりましたよ」
長年住み慣れた二階建てのログハウス。
その前庭には、小さな円形のテーブルと4脚の椅子が置かれている。
半径数キロメートルに及んで、人っ子一人おらず、人工物が一切存在しないこの秘境において、そこだけが人間の生活を感じさせる場所だった。
声の主はテーブルの上にティーセットを並べ、こちらに柔らかく温かい笑みを向けていた。
緩やかにウェーブした長い金髪を風になびかせ、穏やかに佇んでいるおしとやかな女性。
この鬼畜な修行生活における唯一の癒やし的存在――セレスさんだ。
セレスさんの助け舟に、ホッと胸をなでおろす。
こうやっていいタイミングでカーチャンの暴走を止めてくれるセレスさんに、今まで何度助けられたことか。
これまで俺がグレずになんとかやってこれたのは、間違いないなく彼女のおかげだった。
「えー、まだアルくんとあそびたいよー」
「でも、お茶が冷めてしまいますよ」
「うー」
「それにリリアの大好物も用意してますから」
甘えるように駄々をこねるカーチャンを、セレスさんは軽くいなした。
いつもどおりのやり取りだ。
なんだかんだ言いつつも、最終的にはセレスさんの言葉にはしたがう。
カーチャンにとって、セレスさんは親友のような、姉のような存在。
ふたりはカーチャンが勇者を始めた時からの付き合い。もう、かれこれ20年来の仲。
この世界中で、カーチャンに言うことを聞かせられるたったひとりの存在だ。
俺とカーチャン、そしてセレスさん――俺が生まれてこの方、3人だけでずっとここで暮らしてきた。
セレスさんが整えてくれたテーブルにつき、3人で茶を囲む。
先程までカーチャンの不機嫌に合わせて曇っていた空も、今は見事に晴れ上がり、爽やかな午後の微風が頬を撫でていく。
午後のお茶会は、ほぼ日課だ。
天気の良い日は、厳しい修行の合間にこうして、セレスさんの入れてくれたお茶と手作りお菓子を共に語らうのが常だ。
カーチャンの修行は天候も俺の体調も一切気にせず、休みなくあるけど……。
時には、カーチャンを訪ねてやってきたゲストを交えることもあるが、それはごくまれな出来事だ。
ほとんどは3人だけのお茶会だ。
「今日はイッツィーゴダイフックですよ」
「いっただっきまーす!!!」
「いただきます」
湯呑みに入った濃い目の緑茶と一緒に供されたのは、カーチャンの大好物のイッツィーゴダイフック。
異世界から来た勇者が伝えたと言われている甘味だ。
アドゥキをモッチーで包んだダイフックの中にイッツィーゴ――凍らせたラビットフィッシュの卵巣――を入れたものである。
そのイッツィーゴダイフックが俺とセレスさんには2個ずつ。カーチャンの前には山のように積まれてる。
俺だって毎日の甘味が欠かせないくらいの甘味好きだけど……さすがにあの量は見ているだけで胸焼けがする。
だけど、当のカーチャンは食前の祈りもそこそこに、両手に掴んだイッツィーゴダイフックを次々と口の中に放り込んでいった。
俺はちゃんと両手を合わせ、丁寧に祈りを捧げてから食べ始める。
普段は優しいセレスさんだけど、躾には厳しい。挨拶や祈りを蔑ろにすると、むちゃくちゃ叱られる。
幼少の頃からセレスさんに躾けられてきたおかげで、今ではそれが当たり前の習慣になっている。
イッツィーゴダイフックを齧ると、アンコの甘みとイッツィーゴの酸味が口の中に広がった。
疲れた身体に染み渡る旨さだ。
下手な回復ポーションより、よっぽど効果がある。
さっきカーチャンにオシオキされたから、口を動かすたびに痛みが走ったけど……。
このイッツィーゴダイフックはセレスさんの手作りだ。
甘味ジャンキーであるカーチャンの欲求を満たすために、セレスさんは毎日さまざまなお菓子を作ってくれる。どれもこれも大変美味だ。
セレスさんはお菓子だけでなく、料理作りも達人。料理における俺の二大師匠のうちのひとりだ。
たまに御茶会で俺作の甘味を供することもあるが、まだまだセレスさんの腕には到底及ばない。
それだけではない。
セレスさんは料理だけでなく家事全般も得意で、俺達の生活を支えてくれている。
対するカーチャンは生活能力皆無。
壊すことしかできず、生産的活動は一切できない。
ドラゴンの生肉にかじりついて「おいしいよー」って言ってるレベルだし、肉を焼こうとすると消し炭になる。珍しくやる気を出して、家の掃除をしようとしたところを、セレスさんに「ウチを全壊させるつもりですか」と止められていた。
そんなわけで、俺が人間的な生活を送れるのは、ひとえにセレスさんのおかげだ。本当に感謝している。
それにしてもウマいな、このイッツィーゴダイフック。
いままで幾度となく食べているけど、食べるたびに感動する。
俺だってレシピも知っているし、料理スキルだって十分足りているはずなのに……なぜか自分で作ってもこの味は出せない。
いつかこれを超えるようなイッツィーゴダイフックを作れるようになりたいな……。
そんな思いでセレスさんに視線を向けると、彼女は一口食べただけで、頬杖をついて俺たちふたりを優しい目で眺めていた。
見慣れたはずの表情なのに、未だにドキッとしてしまう――。
今はもう割りきったけど――実は、セレスさんは俺の初恋相手だったりする。
彼女は、俺が初めて意識した異性だった。
セレスさんは若い。
カーチャンも若く見えるとはいえ、よくよく観察してみれば年相応の部分もある――目元の小じわとか。
毎日身近に接している俺くらいじゃないと気づかない程度だし、指摘したら怒られそうだから黙っているけど……。
それに対して、セレスさんの若さは本物だ。
彼女が自称するとおり、どっからどうみても正真正銘の17歳。
こういうと疑問に感じるかもしれない。
だって、セレスさんはカーチャンが勇者を始めたとき――カーチャンが15歳の時で、約20年前だ――その時から、ずっとカーチャンと一緒にいるんだから。
でも、そんな当たり前の疑問も、ガキだった俺はまったく気づかなかった。
カーチャンが年より若く見えるってこともあって、セレスさんの若さになんの違和感も感じなかった。
カーチャンの知り合いだし、そんなもんだろ、って思っていた。
いつも身近にいる肉親でない異性。
綺麗で優しくて、守り導いてくれる年上の女性。
俺が彼女に恋するようになったのも必然であった。
子どもなりに真剣だった。
歳の差なんかまったく気にならなかった。
思い切って彼女に告白し、そして、あっけなく俺の初恋は終わった――。
「ごめんなさいね、アル。でもワタシ、女神だから……。無理なの」
その時俺は初めて知ったんだ。
セレスさんが人間じゃなくて、女神だってこと。
この世界には12の神様が存在する。セレスさんはそのうちのひとりだった。
告白相手にこんな理由でフラレたことがあるのは、広い世界を見渡しても俺くらいだろう。
物語の中では、身分や種族を超えて結ばれる恋愛もあるけど、それにしたって、王族と平民だとか、人間とエルフだとか、がせいぜいだ。
さすがに神様が相手じゃね……。
いくら歳の差は気にしないとはいっても、さすがに数万年も生きている相手だとね……。
カーチャンみたいな人外だったら、神様相手でも釣り合い取れちゃいそうだけど……。
つーか、フツーに神様と一緒に十年以上暮らしていたことにビックリだよ!!!
早く教えろよ、そんな大事なこと!!!
カーチャンに聞いたら、「あれー、いってなかったっけ?」だとよ。
俺の初恋はそんな感じだったけど、セレスさんを慕う気持ちに変わりはない。
今の俺にとっては、セレスさんは姉のような、ふたり目の母親のような相手だ。
セレスさんはさまざまな知識や常識を教えてくれた。
カーチャンと俺の間をうまく取り持ってくれた。
そして、カーチャンと同じくらい俺を愛してくれた。
カーチャンとふたりきりだったら話しづらい話題も、セレスさんが同席している今なら切り出しやすい。
思い切った俺は、カーチャンに聞いてみることにした。
「なあ、カーチャン」
「なに? アルくん」
「カーチャンはなんで勇者になんかなったんだ?」
「んっ――」
俺の突拍子もない質問に驚いたのか、カーチャンはダイフクを喉につまらせた。
急いでお茶を流し込むが、小さな湯呑みはすぐにカラになる。
「あらあら、落ち着いて」
セレスさんが注いだおかわりも一息で飲み干し、一難去ったカーチャンは大きく息を吐いた。
「なによ、アルくん、急に。びっくりするじゃない」
「今まで改まって聞いたことなかったけど、ずっと疑問だったんだ」
俺の質問が単なる思いつきや軽はずみなものではないと悟ったのか、カーチャンは考えこむ素振りを見せる。
「んー、特に理由はないかなー。なんとなくだねー」
「なんだよ、それ」
「だってー、朝起きたら目の前に女神がいてさー、『勇者になれ』とか、言うんだよー? ねー?」
同意を求められたセレスさんは「そういう言い方はしてませんけどね」と軽く笑って返した。
実は、今回カーチャンにこの話をすることについては、セレスさんには打ち明け済みだ。
セレスさんからは「大丈夫だから。恐れずに伝えてごらんなさい」と、心強い後押しをしてもらった。
「いざとなったらワタシが助けに入るから、安心していいのよ」とまで言ってくれた。
だからこそ、俺は踏ん切りをつけることができたんだ。
「まあ、しいて言えば……コレだって思ったんだよね、剣を持った瞬間に」
ものごころつく前から、剣を持たされていた俺にはその感覚は理解不能なものだった。
残念なことだが、俺にとって剣っていうのは、それくらい当たり前で身近な存在だった。
「でもねー、勇者を続けた理由なら、ちゃんとあるよー」
「戦いが好きだからか?」
「まあ、戦いは好きだけどねー。でも、それがメインじゃないよー」
「じゃあ、なんなんだよ」
「イヤなヤツはぶっ飛ばせるしー、大切な人を守れるんだよー。勇者ってのは、それだけの力を持っているんだよねー」
非常にカーチャンらしい理由だった。
傍若無人でやりたい放題。
自分の気に食わないことは、どんなに偉い相手に命令されても言うことを聞かない、それどころ、その相手を軽くワンパンで黙らせてしまう。
変わり者が多いと言われる歴代勇者の中でも、カーチャンの振る舞いは群を抜いて破天荒だったみたい。
そんなわけで、各方面から顰蹙を買ってたりもするんだけど、あまりの功績の大きさに誰も文句をつけられなかったそうだ。文句いったら殴られるしね。
セレスさんが言うには「リリアほど勇者らしい勇者は今までもいませんでしたよ。わざわざワタシが姿を現すくらいですからね」だそうだ。
結局、勇者を引退してからも今日まで付き添っているくらいだ。セレスさんはよっぽどカーチャンのことが気に入っているんだろう。
「好きなように生きるって、言うのは簡単だけど、実行するのは難しいからね。やりたいことが大きくなればなるほど、ジャマする力も大きくなるからね。それだけ大きな力が必要になるんだよ」
「だったら、なんで勇者を辞めたんだ?」
「うーん、もういいかなーって」
「なにがいいんだよ?」
「5年くらい勇者として活動して、いろいろなことやったんだよー。それで世界に対しての最低限の責任は果たしたからねー」
たしかにカーチャンがやって来たことを考えれば、十分だとは思う。
「それにねー、もっと大事な理由ができたからだよー」
「世界を救うより大事な理由ってなんだよ?」
「アルくんを育てることだよー。それ以上に大切なことなんてこの世にないからねー」
「あ、ああ……」
普段から何度も聞かされてたセリフだけど、こう改めて言われると、こっちが恥ずかしくなってしまう。
言ってる本人が一点の曇りもない調子だから、余計にだ。
「カーチャンはなんで俺を勇者として育てたんだよ?」
「カッコいいからっ!!!」
「はっ!?」
「だってー、勇者になったアルくんはー、絶対にカッコいいもん!」
満面の笑みを浮かべているカーチャンに告げるのは非常に心苦しいけど……ここで避けるわけにはいかないんだ。
大きく深呼吸してから、俺は口を開いた。
「なあ、カーチャン」
「なあに、アルくん?」
「怖いんだ、俺。15歳の誕生日が来るのが……」
この世界では15歳で成人。大人とみなされる。
その15歳の誕生日――カーチャンはセレスさんと出会い、勇者を始めた。
カーチャンみたいに、目の前に神様が現れて神託を告げるのは、歴史に残るような極めて例外的なケースだ。
だけど、夢の中で神様からお告げを授かって、自分の適性を知るというのは、珍しいことには違いないが、千人に一人くらいはある話だ。
そうやって神様から祝福された選ばれし者は、実際、その分野で類まれな業績をあげることが多いと言われている。
ちょっと前までは「その日」を特に意識していたわけではなかった。
だけど、つい先日14歳の誕生日を迎え、残りが1年を切ったという事実を意識したら、途方もない焦りに襲われた。
だから、急に怖くなった――。
「怖いんだ。このまま修行を続けて、その日を迎え、自分に勇者の適性がないとはっきりと指摘されるのが……」
心の中に秘めていた俺の思いをやっと伝えることができた。
今までも何度も伝えようと思い、そのたびに、カーチャンに申し訳ない気がして、思いとどまってきた。
だけど、今日、やっと、伝えることができた……。
そんな俺を、カーチャンは両腕で包み込むように抱きしめてくれた。
子どもの頃にしてくれたように、俺の頭をポンポンとリズミカルに軽く叩く。
いつもだったら恥ずかしさに耐え切れないその行為が、今だけは自然と受け入れられた。
「つらかったねー。よくがんばったねー」
「ああ……」
「この前の誕生日会もアルくんはあんまり喜んでなかったもんねー」
自分では上手に隠していたつもりだったんだけど……やっぱり、お見通しなんだな。
よし、ちゃんと伝えるぞ!
カーチャンと向き合い、しっかりと目を見つめる。
「あのさ、カーチャン。俺は…………勇者になりたいとは思わないんだ。俺はモノづくりがしたいんだ」
「ちっちゃな頃から、アルくんは戦いよりもそういうのが大好きだったもんねー」
モノづくりだったら、神様に見放されてたって平気だ。
カーチャンみたいにひとかどの人物になれなくても構わない。
どっかの街の隅っこでひっそりとモノづくりができるだけでいい。
それだけで、俺は十分に幸せだ。
「これからの一年間で、自信をつけたいんだ。勇者になれなくても、俺はモノを作って生きていける。そういう自信をつけたいんだ。ここを出て、ひとりでモノを作って生きていけるか試したいんだ。今まで育ててもらったことはとっても感謝している。カーチャンが望むように勇者になれなくてゴメン。でも、俺のやりたいようにさせてくれ」
前もって考えておいたセリフを流れるように言い切った――。
「うん。いってらっしゃい。がんばってねー」
ふたたび、カーチャンが俺を抱きしめた。
さっきよりも強く、励ましてくれてるかのように。
俺が拍子抜けするほど、カーチャンはあっさりと許してくれた。
絶対に反対されると思っていた。
カーチャンのことだから、「だったら私を倒してからねー」とか言い出すんじゃないかと。
いざとなったら、喧嘩別れでもしょうがない。
最悪の場合は家出することも考えていた。
だけど、俺の考えなんかお見通しだった
カーチャンはやっぱりカーチャンだよ。
ほんとーにスゲーよ。俺の自慢のカーチャンだよ。
「じゃあ、アルくんの門出を祝ってー、もう1回模擬戦やろっかー。最後になるしねー、気合入れてこー」
……やっぱり、カーチャンはかーちゃんだった。
まさキチです。
お読み頂きありがとうございます。
楽しんでいただけましたら、ブクマ・評価いただけるとありがたいです。
感想もお待ちしております。
面白かった、つまんなかった、等ひと言でも構いませんので、よろしくお願いします。
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(2021/03/01)
今回、「まさキチ一人コンペ」の名のもとに、《3本の短編》(いずれも2万字程度)を公開することになりました。
どの作品も連載化を視野に入れたパイロット版ですが、短編単体でも楽しめるように仕上げてあります。
ページ下部のリンクから飛べるようになってますので、どうぞお楽しみ下さい。
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3作品の情報は次の通りです。
2021/03/01 19:00投稿
『見掛け倒しのガチムチコミュ障門番リストラされる 〜15年間突っ立っているだけの間、ヒマだったので魔力操作していたら魔力9999に。大量モンスター襲撃で街が壊滅状態らしいが、俺は知らん〜』
門番シリーズ第1弾。
一番ライトでテンポいい作品です。
ガチムチなのに武器が使えずコミュ障で魔力チートな主人公と、神聖魔法が使えなくてクビになった元聖女の掛け合いをお楽しみ下さい。
2021/03/01 20:00投稿
『「村人を皆殺しにしろ」と命令された騎士は、国を捨てて村人たちと隣国に亡命する 〜ブラック騎士団から逃げ出した俺は、成果が評価される新職場でモンスターを退治して民を救う〜』
一番シリアスで王道な作品です。
理不尽な騎士団を抜けて、部下の女性騎士とともに村人たちを連れて亡命するお話です。
正義感あふれる騎士の鑑である主人公と部下のバディー物です。
2021/03/01 21:00投稿
『お飾り門番知らぬ間にクビになる 〜素通りする人々に無視され続けた結果、【気配遮断EX】を獲得。誰にも気づかれなくなった俺を見つけてくれた少女のギルドでスキルを活かして大活躍〜』
門番シリーズ第2弾。
EXスキルと聞けば強そうですが、この世界では強すぎて弊害が大きすぎます。
気配遮断EXのせいで、いつの間にか誰からも気づかれなくなった主人公。
そして、彼を見つけ出してくれたヒロイン。
彼女に誘われ、同じくEXスキルで困っている人々を助ける旅へ――。
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3作のうち、評判の良かった作品を連載しますので、ご希望の作品がありましたら、ブクマ・評価よろしくお願いします。
また、連載化の際に参考にいたしますので、率直な思いを感想欄からお伝えいただけるとありがたいです。
パイロット版ということで、多少荒削りな仕上がりです。
改善点・問題点、辛口な評価も大歓迎ですので、お気軽にお伝え下さい(人格攻撃はやめてね!)。
今後の連載化などの情報は、活動報告に載せますので、気になる方はお気に入りユーザー登録をしていただけると、間違いがないかと思います。
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連載を開始するのはしばらく先(一ヶ月くらい?)になります。
よろしければ、それまで現在連載中のまさキチ作品をお読みいただければ幸いです。
『勇者パーティーを追放された精霊術士 〜不遇職が精霊王から力を授かり覚醒。俺以外には見えない精霊たちを使役して、五大ダンジョン制覇をいちからやり直し。幼馴染に裏切られた俺は、真の仲間たちと出会う〜』
※下記リンクから飛べるようになってます。