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猫じゃないし名前もあるわっ!

修正。主人公の名前も変更。ヒデオ→薄人はくと。たまにヒデオがいるかも?

 「どこよここぉ・・・」


呆然とつぶやいた言葉は、若干オネェ言葉になってしまったが、あ、これ夢か、まだあれだろ学校で寝ちゃったとか、実は放課後で机に伏せてて目が覚める瞬間ビクンッてなるやつだろ。

 しかし、そのまま立っていても景色は草原である。


「夢にしてはリアリティあるな・・・いやこれいわゆる転移しちゃった的な?キタワー!ってやつ?」


 変なところで冷静になりつつあった少年は周りを見回して現状を確認する。


「あー、えー。吾輩は猫である。名前はまだない。」


 とある有名な一文を口に出してみる。記憶喪失的な感じはしないか。


「猫じゃないし名前もあるわっ!」


 セルフツッコミしつつ改めて現状の確認をすることに。


「えー吾輩、いや、僕は高校2年生の一般市民であり、決して何とか無双するようなスペックの持ち主ではなく、名前はうん覚えてるよもちろん、影野薄人かげのはくと君でしょ?」


 と、まるで誰かに確認するかのような言いかたをするが特に意味はないです、ごめんなさい。


 それた思考を修正すると、名前も覚えてるし記憶も黒歴史もしっかり覚えてる。黒歴史はむしろ忘れたいが。

 うわぁ、気分が落ちると黒歴史が脳裏に浮かぶ・・・字面で分かるだろ、この名前つけた両親はマジで何を考えてたの?普通にいじめ受けるわ。普通に読んだら影の薄い人だよ!バカか!

しかし名は体を表すと言わんばかりに僕はひたすら影を、いや、存在感をね、薄くしたのよ。

目立たなけばいいのよ、「あれ、またいないぞあいつ、さすが影が薄いよなー」、とか言われても反応しなければいいのだ!ぐすん。

 

「いやしかしどうしたもんかなー、なんかまじめにやばい気がしてきたぞほっぺたつねっても痛いし、これマジもんかー?」


 頬をつねって若干涙目になりながら周りを見ると一面草原であり、申し訳程度に道なりっぽい道がありタイヤのあとかな?頻繁に車が通るならもっと舗装なりなんなりされててもいいと思うんだけど、と日本にこんなとこあんのかなと自問してみる。 


「あ、北海道とかありそうこんな景色。行ったことないけど!関東圏から出たことないよ畜生!あ、嘘ついた、修学旅行で京都・奈良行ったわ、うん、どうでもいいな」


 北海道な可能性も微粒子レベルで存在するかもいや、むしろここは北海道だろ!関東圏在住の北海道イメージはこんな感じであり、そうすると異世界とかのほうがないわ!

 そう信じることにして道なりに進むことにする。いや、そう思い込むことで焦る心をごまかしているのかもしれないが。


「そうはいってもどっちに行くか・・・方角もわかんないしわかっても現在地わかんないし・・・そもそもどうやってここに来たの僕」


 玄関をくぐって靴を脱ごうと足元確認、顔を上げた瞬間にトラップ発動!みたいな感じで、草原にログインしたわけだが、正直さっぱりわからない。


「ログイン・・・ボーナス・・・ってああああスマホ!」


 スマホゲームのログボからの連想で今更ながら文明の利器のことを思い出して鞄をあさる薄人。

 思い出し方はあれだが。


「普段使わないからなー友達いな・・・少ないし、うん少ないだけなんだからね!」


 誰に言い訳してるのかそういいつつ鞄からスマホを発掘したが、


「わーい圏外だよ畜生め!電波をよこせ!」


 しばらく体の向きを変えたりスマホを持つ手を高く上げてみたりしたが圏外から一向に電波は立たず。


「ここは北海道のはずだろ!北海道は電波もないのか!この田舎もんめ!」


 などと道民に対しものすごく失礼なことを叫びつつ薄人はひとしきり試した後諦めることに。


「左側はなんか林?森?よくわからんけどなんか森っぽいのがみえるな、逆に右側は・・・ひたすらに草原だな奥にうっすら山?もあるけど」


 さすがに圏外であることから北海道の線は低い。

 しかしいわゆる転移したなどということも信じられず、うんうんと一人唸っていたが、「ぐぅ」とおなかの音が聞こえることではっとする。


「まずい、さっき無駄に暴れたから?なんかお腹すいたな・・・いつものこの時間なら台所あさればなんか出てくるけど・・・」


 現在地はよくわからない草原に一人である。


「まずいぞ、まさかの餓死ルートか」

 

 まわりを見ても草くさクサ。

 食べられるかもしれないけどとてもじゃないが少しお腹がすいたくらいでは口にしてみたいとも思わない。


「僕は草食動物ではないからして・・・」


 すると選択肢は森の恵みに期待するところではあるが・・・ちらりと森を見る薄人は正直サバイバル経験などない。当然食べられるものの判断などもできないだろう、もちろん見たことあるものなら可能だろうが、おそらく、異世界かもしれない場所にいる現在、森という存在はかなりの危険をはらんでいる気がしてならない。

 まだ見かけていないが動物はいるだろう、もしここが異世界だったりすれば定番のモンスターも。

 しかしどこまで続くかわからない右側の草原よりもまだ活路はある気がする。食べ物的な意味で。


「逝く、か・・・」


 森へ進む事にする。決して自殺ではない。

 

 

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