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34 海のボスに、みんなで立ち向かいます

 サンドゴーレム、サーブルを一撃で倒した新手。

 それは、象みたいに大きなヤツだった……!


 鎧をまとっているような赤い身体に、大バサミみたいな爪、そしてクモのような脚……!

 どれも規格外のサイズなので一瞬わからなかったけど、ザリガニ……これは、巨大なザリガニだ……!


 しかも頭のあたりから、半魚人の女の人みたいな身体が生えている。

 上半身が半魚人で、下半身がザリガニになっている、ケンタウロスみたいなヤツだった……!


「ウワアアアアッ!?」


「ナッ、ナンダ、アレッ!?」


「デ……デカイゾッ!?」


 あまりに不気味で、あまりに大きい敵の登場に、みんなはビックリして腰を抜かしていた。


「あ……あいつがマーマンたちのボス、ナントカカントカよ!」


 背後からアンジュさんの鋭い声がした。

 どうやらアンジュさんは、あのザリガニオバケのことを知っているようだ。


 だけど……ナントカカントカじゃわからないよっ!?


「あれは、マーマンママです」


 いつの間にかボクの隣りにいた、フルールが教えてくれる。


「海棲生物を取り込んで、自らの身体を形成します。あのマーマンママはザリガニを多く取り込んだものと思われます。身体を形成したマーマンママはその後、手下となるマーマンたちを生み出します」


「ってことは……アイツを倒さないと、マーマンだらけになっちゃうってこと!? みんなっ! マーマンママをやっつけるんだっ!」


「ヨォシッ! ヤルヨッ! エイヤァァァァァーーーッ!!」


「オレニ ツイテコイッ! ウォォォォォォーーーーーーーーーーンッ!!」


 みんなのなかでも勇敢なウオンさんとエイヤさんが、雄叫びとともにマーマンママに突っ込んでいく。


 マーマンママは大人の身体くらいある大きなハサミを振りかざし、挟み込もうとする。

 かわしつつ腹の下に潜り込んで、石ヤリで突き上げるウオンさんとエイヤさん。


 しかし、敵の外皮はかなり硬いようで、石ヤリでは擦り傷をつけるので精一杯だった。


「エイヤさん、ウオンさん! 石ヤリじゃダメだ! ハンマーだ! ハンマーを使って! ……コキール、ふたりをフォローしてあげて!」


 ボクの声が届いたのか、ウォンさんとエイヤさんは石ヤリを投げ捨て、背負っていた石のハンマーを担いだ。


 四角く削った石に、木の柄をつけた大きな石のハンマーだ。

 重いので素早く振ることはできないんだけど、硬い殻には刺突より打撃のほうが有効なはず。


「ウオオオッ!!」「エイヤアッ!!」


 餅つきをするみたいにハンマーを振るって、マーマンママの胴体を打ち込もうとするふたり。


 しかしマーマンママは、八本の脚をカサカサと動かし、素早く後ずさった。

 ハンマー攻撃は空振りして、スキだらけになる。


 グワッと開いた真っ赤なハサミが、エイヤさんに襲いかかる。

 しかし、その間に白い影が割り込んだ。


 ……ガキィンッ!


 コキールだ。コキールが腕につけた貝殻を盾にして、ハサミ攻撃を防いでくれた。


「よし……いいぞコキール! コキールはマーマンママをマークして! みんなの攻撃をサポートするんだ!」


 背中を向けたまま頷くコキール。


 ボクがコキールに指示したのは、タンク作戦。

 コキールが敵の矢面に立って攻撃をひたすら受けとめ、そのスキに他のみんなで攻撃するんだ。


 コキールの防御力は、ボクのゴーレム軍団でもトップクラス。

 たとえボスの攻撃であっても、びくともしないはずなんだ……!


 重機のようなツメが、たて続けにコキールを襲う。

 ぶつかった瞬間、衝撃のあまり火花が散る。一撃がかなり重いようで、ズッズッと後ずさっていた。


 コキールは吹っ飛ばされないよう腰を落とし、ひたすら耐えている。


「ウオオオッ!!」「エイヤアッ!!」


 立ち直ったウオンさんとエイヤさんのハンマー攻撃。

 コキールに気を取られていたマーマンママはよけることをせず、まともに食らっていた。


 ガインと鈍い音とともに、微動するザリガニの身体。赤い殻に亀裂が入る。


「……よし、その調子! その調子で殻を破って……!」


 と、ボクはさらなる指示を飛ばしたんだけど……その言葉が終わるより早く、殻の亀裂は塞がってしまったんだ。


「ええっ!?」


 と我が目を疑うボク、エイヤさん、ウオンさん。


 信じられないほどの回復力……!


 しかもそれだけでは終わらなかった。

 マーマンママは身体をグオンと一回転させ、海老みたいな尻尾であたりを掃き払ったんだ。


「「ウワアアーーーーーーーーーーッ!?!?」」


 弾き飛ばされ、吹っ飛ぶエイヤさんとウオンさん。無言で宙を舞うコキール。


 マズイ……戦線が崩されちゃった……!!


 マーマンママは、砂浜に転がったウオンさんにターゲットを切り替えた。

 邪魔するコキールがいないうちにやるつもりなんだろう。


 砂浜に尻尾の太い軌跡を残しつつ、倒れたまま動けずにいるウオンさんを追撃しようとする。


「あ……アンジュさんっ! 矢だっ! 矢でマーマンママの身体を撃って! フルール! マーマンママを止めて!」


 ハッと思い出したように弓を構えるアンジュさん。

 「承諾しました」とボクの隣から離れるフルール。


 アンジュさんはマーマンママの身体めがけて狙撃する。

 マーマンママの上半身は半魚人みたいなんだけど、皮膚はずっと硬いようで、まるで鎖かたびらを着ているみたいに矢をはじき返していた。


 フルールの蜂攻撃も、硬い殻の前には通用しない。

 ウオンさんめがけて振り下ろされたハサミを、アイヴィーウイップで絡め取ろうとしてたんだけど、


 ……シャキンッ!


 鋭いハサミの前に、あっさりとツタは切り裂かれ……その勢いを殺せぬまま、ウオンさんは貫かれてしまった……!


「……ぐはあっ!?」


 ウオンさんの口、そして腹から、噴水みたいに血が吹き出す。


「きゃあっ!?」「……い……行こうラヴィさんっ!!」


 悲鳴をあげるラヴィさんの手をとって、ボクは走り出した。


 ウオンさん、すぐに治してあげるからね……!


 しかし、ボクらがウオンさんの元にたどり着くのを見計らったかのように、またあの尻尾攻撃が来たんだ。

 ボクはとっさにラヴィさんを突き飛ばした。


「うわあああああああああーーーっ!?!?」


 ボクは丸太でぶん殴られたみたいな衝撃とともに、空高く吹っ飛んだ。


 ボクだけじゃない。フルールも、立ち上がったばかりのコキールも、そばにいたみんなも……まるで風にあおられた虫のように、散り散りになっていた。


「そっ……ソラちゃあああああああああああああーーーんっ!?!?」


 ラヴィさんだけは難を逃れたようだ。

 彼女の絶叫を聞きながら、ボクは砂浜に叩きつけられる。


 息ができないほどの衝撃に襲われ、どっちが地面だかわからないように世界がぐるんと回った。


 地面の砂に負けないほど、身体がカッと焼けたように熱くなって……イヤな汗がどっと吹き出す。


 生まれて初めて、身体をホームランされてしまった。

 ボクは痛みよりもなによりも、車に跳ねられたら、こんななのかな……なんて考えてしまう。


 でも、それどころじゃなかった。

 マーマンママはウオンさんに続いて、エイヤさんを串刺しにしていたんだ。


 しかもウオンさんとエイヤさんがやられたことで、みんなは完全に戦意を喪失していた。

 まるで蛇ににらまれたカエルみたいに、血の気を失った顔で立ち尽くしている。


 恐怖のあまり、身体がすくんで動けないのか……もう逃げることすらしていない。


 ……まずい……これじゃ、みんなやられちゃう……!


 他のみんなはいつでもやれると思ったのか、マーマンママはボクのほうに向き直った。

 クモみたいな脚を動かして、ボクのほうに迫ってくる。


 ……や、やばい、なんとかしないと……でも、身体が動かないっ……!


 ダンプトラックみたいに大きなヤツが、ボクの恐怖を煽るようにゆっくりと近づいてくる。

 しかしその間には、立ち上がったラヴィさんがいた……!


「も……もうこれ以上、ソラちゃんにひどいことはさせない……! 逃げて……! 逃げてソラちゃんっ!!」


 両手を広げて、通せんぼするようなラヴィさん。


 ダメだ……! 治癒できる彼女がやられちゃったら、もう立て直しがきかなくなるっ!

 でもいくら言っても、きっと彼女はボクを置いて逃げることはしないはずだ……!


 考えろ……考えるんだ、ソラっ……!

 ラヴィさんを、この全滅のピンチを救う手を……!


 そして……あのザリガニのオバケを、倒す手だてを……!!


 みんなはもうあきらめているようだけど、ボクだけはあきらめなかった。


 まだまだっ、まだ勝つ見込みはあるっ……!

 ボクの頭がまだ動く限り、この指が一本でも動く限り……どこかに勝機はきっとあるんだっ……!!


 アイツはザリガニ……ザリガニはたしかに硬い殻を持ってるけど、アイツのは桁違いだ。

 しかもかなり強力な自己回復能力を持っている。


 ザリガニ……ザリガニ……ザリガニの弱点といえば……!?


 ボクが読んだ、動物図鑑のザリガニのページ……。

 頭の中にある本棚を、ひっくり返すようにして思い出す。


 そしてボクは、ひらめいたんだ。

 ヤツを倒すための、いちかばちかの方法を……!

■■■奇跡ツリー■■■(現在の神様レベル:19)


 今回は割り振ったポイントはありません。未使用ポイントが1あります。

 括弧内の数値は、すでに割り振っているポイントです。


 ●創造の奇跡

  魔法生物

   (4) LV1 ゴーレム  … ゴーレムを創る

   (1) LV2 小人成長  … 小人を人間にする

   (1) LV3 使徒成長  … 人間を使徒にする

  有機生物

   (1) LV1 絶滅    … 生命を絶滅させる

   (1) LV2 成長促進  … 生命の成長を早める

   (0) LV3 生殖    … 生命を親にする

  回復

   (1) LV1 治癒    … 病気や怪我を治す

   (0) LV2 死者蘇生  … 死んだものを蘇らせる

   (0) LV3 死者転生  … 異界から死者を蘇らせる


 ●神通の奇跡

  神の手

   (1) LV1 ジオグラフ … 大地を切り取る

   (1) LV2 ウェポン  … 武器を出す

   (0) LV3 マジック  … 天空城の奇跡を手から出せる

  神の叡智

   (0) LV1 現界の声  … この世界の声を聞く

   (0) LV2 異界の声  … 異界からの声を聞く

   (0) LV3 天啓    … 人間に知恵を授ける


 ●水勢の奇跡

  波浪

   (0) LV1 小波    … 小さな波を起こす

   (0) LV2 大波    … 大きな波を起こす

   (0) LV3 津波    … 津波を起こす

  水かさ

   (1) LV1 減水    … 水を減らす

   (1) LV2 増水    … 水を増やす

   (1) LV3 海割り   … 水を一時的に割る

  操水

   (0) LV1 霧散    … 霧を作り出す

   (0) LV2 噴水    … 水を噴出させる

   (0) LV3 渦     … 渦を作り出す

  水中

   (0) LV1 呼吸    … 水中で呼吸できるようになる

   (0) LV2 浮力増   … 水中の浮力を増やす

   (0) LV3 浮力減   … 水中の浮力を減らす


 ●天候の奇跡

  雲

   (1) LV1 雲     … 家の煙突から雲を出せる

   (0) LV2 虹     … 虹を出せる

   (0) LV3 ???   … ???

  風

   (0) LV1 風     … 風を起こせる

   (0) LV2 竜巻    … 竜巻を起こせる

   (0) LV3 ???   … ???

  雨

   (1) LV1 雨     … 雨を降らせる

   (0) LV2 洪水    … 洪水を起こす

   (0) LV3 ???   … ???

  雪

   (0) LV1 雪     … 雪を降らせる

   (0) LV2 大雹    … 大きな雹を降らせる

   (0) LV3 ???   … ???

  雷

   (1) LV1 雷     … 雷を落とす

   (0) LV2 導雷    … 目標に誘導する雷を落とす

   (0) LV3 ???   … ???

  火

   (0) LV1 火の粉   … 火の粉を降らせる

   (0) LV2 火の玉   … 火の玉を降らせる

   (0) LV3 ???   … ???


 ●天空城の奇跡

  高度

   (0) LV1 高度アップ … 天空城をさらに高く飛ばせる

   (0) LV2 天空界   … 「天空界」まで飛ばせるようになる

   (0) LV3 ???   … ???

  速度

   (0) LV1 速度アップ … 天空城の移動速度があがる

   (0) LV2 高速移動  … 高速移動ができる

   (0) LV3 ???   … ???

  流脈

   (0) LV1 消費減少  … 奇跡力の消費を抑える

   (0) LV2 放出    … 天空城から物体を放出できる

   (0) LV3 ???   … ???

  障壁

   (0) LV1 防御障壁  … 天空城を守るバリアを張る

   (0) LV2 水中潜行  … 水中に潜れるようになる

   (0) LV3 ???   … ???


 ●太陽の奇跡

  気温上昇

   (0) LV1 気温上昇  … 気温を上げる

   (0) LV2 猛暑    … 猛暑にする

   (0) LV3 ???   … ???

  気温下降

   (0) LV1 気温下降  … 気温を下げる

   (0) LV2 寒波    … 寒波を起こす

   (0) LV3 ???   … ???

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