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スキル、魔法、謎の声

明け方に目が覚めた僕は昨日確認していなかったスキルの確認をすることにした。


タンクLv1:レベルアップ時に上昇するHPとDEFを追加する。追加値はスキルレベルが上昇すると増

える。盾役する際の行動に補正がかかる。


MIND上昇Lv1:レベルアップ時に上昇するMINDを追加する。追加値はスキルレベルが上昇すると増える。


不撓不屈Lv1:HPが0になる攻撃を受けても耐えることがてきる。限界値が存在し、超えると超えた分だけダメージを食らう。スキルレベルが上昇すると耐えれる回数や限界値が増える。限界値300。現在1日に一回


なかなかにいいスキルではないだろうか。防御力やHPが上がればその分危険も減るはずだ。スキルレベルを早く上げていきたいが、不撓不屈は上げるべきだろう。そうこう色々と考えているうちに日が昇っていたようでメイドさんに訓練の時間ですと告げられた。訓練場に向かうとすでに殆どのクラスメイトたちが集まっていた。元からだったのか異世界に来たからなのか、みんな早く起きていたようだ。少しするとみんな集まったようで、兵士の人からそれぞれのスキルにあった武器を配られた。


「今配った武器には刃を潰してあるので人を斬ってしまうことはないが、ダメージは入る。治癒士がいるので大丈夫だと思うが、気をつけておいてほしい」


教えてくれる隊長に扱いについて注意され、配られた武器ごとにグループを作り武器を扱う練習を行う。初めて触るもののはずなのに不思議と手になじむ。しかし、まだしっかりと剣を振ることができていない。基本の動作を繰り返すことで武器に慣れ、徐々に別の動作も織り交ぜてスキルレベルを上げていくことが大事だそうだ。スキルは自分ができるから追加される、ということを初めて実感した。ちなみに勇者の場合は潜在能力をスキルポイントで解放していくそうだ。なので丁寧にただひたすら基本の動作を繰り返し続けた。午前の訓練が終わり、午後からは魔法の授業だ。


「魔法とは魔法陣を作り、発動させるものだ。魔法陣は火を飛ばすなどといったイメージから魔力を使って構成する。そのためには自身の身体の中に流れている魔力を感じることができなければならない。。そこで君たちには私が発する魔力を感じてもらう。集中して周りの動きを感じるんだ。それでは始める」


集中していると空気とは違う何かの動きを感じ始めた。風のように流れているが、空気は動いていないので不思議な感覚だ。


《スキル『魔力感知Lv1』を獲得しました》


突然無感情な声が聞こえて来た。周りを見てみると驚いて周りを同じように見ている人がいるのでみんなにも聞こえたのだろう。


「感じ取ることができたか?感じられていれば、スキルに魔力感知が追加されているはずだ。確認してみてくれ」


ステータスのスキルを確認してみると確かに魔力感知Lv1が追加されていた。


「追加されていれば自身の中にある魔力を感じることができるはずだ。まだなかった人は引き続き周りの魔力を感じ取ってくれ」


スキルは自分の意思でon・offできるので、スキルを発動して自身の中にある魔力を感じてみる。すると血液のように身体の中を循環している流れを感じ取れた。魔法を使う際に魔力を扱うので、この流れを操ることが出来るのではないかと思いついた。試しに手の方に集まるように意識して動かしてみる。最初はあまり変化がなかったが、少しずつ手に集まり始めていくのを確認できた。


《スキル『魔力操作Lv1』を獲得しました》


どうやらあたりだったようだ。ステータスを確認するとしっかり追加されていた。


「ほとんどの人が感じ取れたな。まだの人は残念ながら魔法の才能が無いということだ。だが魔力感知だけは覚えてもらう。感じ取れた人は魔法を使ってもらう。まずは【ライト】という魔法だ。手のひらにある光の球をイメージするんだ。魔法を使うという意思を持つことで魔法陣を作ることが出来る」


実際にやってみると光の球をイメージするのが難しい。なので丸い物が光を放つイメージを作り、


「【ライト】」


と小声で魔法を発動してみる。すると手のひらの上に光の球が浮いていた。直接見ても目が痛くならない不思議な光を放っている。周りの人はまだできていないようだ。魔法関係のスキルを持っていると話をしていた人はできている人が少しいるようだ。


《スキル『光魔法Lv1』を獲得しました。光魔法【ライト】を覚えました》


と声が聞こえて来た。この声は一体なんなのだろうか。色々と考えていると、


「今日はこれで終わりだ。明日からは訓練場で他の魔法などを覚えてもらう。最後にこれから呼ぶ人は戻る前に私のところに来てくれ」


その名前の中には僕の名前や最初の方に魔法が使えていた人の名前が入っていた。


「君たちは類い稀な魔法の才能を持っている。そのため、その才能を伸ばすために魔法図書館の入館証を渡したいと思う。魔法図書館には様々な魔法の書がある。きっと君たちの役にたつだろう」


と言われ、カードくらいのサイズの入館証を貰った。自由時間に行ってみるか。そう思いながら取り敢えず自分の部屋に戻ろうと廊下を歩いていると、


「あ、あの!」


と声をかけられたので、その方向を向くと立花さんが立っていた。


「どうかした?」

「少し、話せないかな?」


立花さんから話しかけられるのは久し振りだ。何かあるのだろうか。


「大丈夫だよ」

「あの時のこと、覚えてる?」

「あの時って?」

「私が守人くんがいじめられてる所を見て、助けた時のことなんだけど…」

「ああ、あの時ね。そのことで何か負い目を感じているなら気にしなくていいよ」

「でもいじめをひどくしたのは私が原因だから…」

「立花さんが僕のいじめに参加したわけじゃ無いでしょ?だから立花さんは気にしなくていいよ」

「…………」

「立花さん?」


突然立花さんが無言になった。どうしたのだろうか。少し不安になり顔をのぞいてみると目から涙を流していた。


「立花さん⁉︎だ、大丈夫?」

「う、うん。ごめんなさい、嬉しくて」

「嬉しくて?」

「気にしなくていいって言われたのが嬉しくてつい」

「そう。ならこれからは友達としていてくれると嬉しいな」

「わかった!じゃあこれからは友達としてよろしくね!でも友達以上を目指すから!」


と言って立花さんは元気に走り去っていった。それにしても友達以上ってなんだろう?親友?まあいい。自分の部屋に戻ろう。



自分の部屋に戻ると、1日のスケジュールをつくる。魔法の練習や読書など、やることが増えたからだ。その結果、朝早く起きて魔法の練習と魔力の扱い方の練習。その後に訓練をして、魔法の授業。その後の自由時間で魔法図書館にいき読書。というスケジュールになった。魔法の書に関してはメイドさんに紙とペンを用意して貰って、魔法の内容などを写してから紙をアイテムボックスに入れようと思う。訓練をするということはいつか実戦をするだろう。そのためにもスキルレベルなどを上げていかないといけない。


「これから大変だなぁ」


一人静かにそう思った。



そして二週間近く経ったある日、


「明日は実戦を行なう。場所はセントリング大迷宮。グループに分かれて、魔物と戦ってもらう。心の準備をしておくように!」


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