表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/27

#006「羊の皮を被った」

@山猫荘

北山「ホントに、すぐそこだな。隣の部屋じゃないか」

太田「二〇三号室、黒沢角也。突然ですが、風斗くんに問題です。ジャジャン」

北山「エスイーは結構。答えを教えてくれ」

太田「黒沢さんのお仕事は何でしょう? 十秒以内にお答えください。カッチ、カッチ、カッチ」

北山「スーツ姿しか見たことないな。会社員か?」

太田「もっと、限定して欲しいね。どこで働いてる人でしょう? 想像力を働かせてみてよ。カッチ、カッチ、カッチ」

北山「小奇麗にしてるし、柔和な顔をしてるし、接客か営業に向いてると思うけどな」

太田「おおぉ、良い線だね」

北山「それで、正解は?」

太田「ご本人から、どうぞ。――黒沢さん。太田です」

太田、ドアをノックする。

黒沢「こんばんは。あ、北山さんもご一緒でしたか」

北山「こんばんは」

黒沢「音楽を聴いていたのですが、五月蝿かったでしょうか?」

太田「イヤホンですよね? 全然、聞えてませんよ。それより、お願いがありまして」

黒沢「私で良ければ、ご相談に乗りましょう。男の一人暮らしですから、とても綺麗とは言えませんが、どうぞ」

太田「僕たちの部屋より、ずっと綺麗ですよ。お邪魔します」

北山「お邪魔します」

  *

北山「生命保険会社の社員なんですね」

黒沢「えぇ、そうなんです。卓上に置く三角形のカレンダーや、腕時計のバンドに装着するカレンダーが余っているんですけど、いかがでしょう?」

太田「いただいて良いんですか?」

黒沢「粗品としてご契約者様にお配りしてるんですが、とにかく量が多いので、いつも余らせてしまって。団扇もそうなんですけど、ボールペンやタオルと違って、季節を選ぶ物なので、使い回しも出来ませんし」

太田「コンビニも、販促用のオマケや、店内用のポスターやポップの処理に困るんですよね。食べ物や消費財なら、受け取り手が多いから、すぐに捌けるんですけど」

黒沢「そういえば太田さんは、コンビニエンスストアでアルバイトされてるんでしたね。それで北山さんは、たしかガソリンスタンドでしたよね?」

北山「あぁ、そうです。よく、覚えてますね」

黒沢「記憶力には、ちょっとした自信があるんです」

太田「ここで風斗くんに、クエスチョン。何と黒沢さんは、ただの人間ではありません。実は、僕たちと同じように、下界以外の世界からやってきたのですが、どこからやってきた、何者でしょう? チャラララ、チャラララ、チャラララ、チャラララ、ラー」

黒沢「フフッ。身近な世界にある不思議として、発見されてしまいました」

北山「人形を没収していいから、答えを教えてくれ」

黒沢「ヒントくらい、いただいたら如何ですか? 無関心すぎますよ」

太田「そうだよ。もっとアンテナを広げないと駄目だよ、風斗くん。色んなことに興味を持たないと」

北山「そんなこと言ったって、見た目は普通だし、部屋もスッキリと片付いてて、特に変わったところなんか、なっ」

北山、部屋を見渡し、黒沢に視線を戻し、驚いて仰け反る。

黒沢「驚かせてしまいましたね。ヒントのつもりだったのですが」

太田「あぁあ。もう、答えを言ってるようなものですよ、黒沢さん」

北山「角が、生えてる」

黒沢「座ってますし、ここは狭いので、翼と尻尾は割愛しました。――改めまして、こんばんは。魔界からやってまいりました、悪魔です。以後、お見知りおきを」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ