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ある夜の思考

作者: くれ

居間に面した六畳の和室に私が今スマホを片手に寝そべっているロフトベッドは置かれている。居間と和室を仕切る襖はいつだって無遠慮に開け放たれたままで、ベットの頭側4分の1ほどはなんの隔てなしに直接居間に面している。

右を向けば6人分の衣服が詰め込まれた箪笥が壁を背にずっしり鎮座している。左を向けば居間の照明の光がテレビの音声と共に射し込んでくる。枕元に布団で築いた堤防はあまり意味をなしていない。上を向けば腕一本分の距離に迫る天井。ベット下のデスクに置かれたパソコンの稼働する音と振動が枕から伝わってくる。些細な閉塞感にささやかな喧騒。以前は気にしないことができたのに数ヶ月ほど前からはどうしても気になってしまう。最近に至っては家族も明かりもテレビもパソコンもみんな眠った夜中でさえもなかなか寝付けない。

今日は12月30日。今年のセンター試験まで残り15日。日毎に下がってゆく点数に対して日増しに膨らんでゆく不合格への不安は最近の睡眠不足の要因として十分だろう。近頃は胃の調子だってよくない。

正直第一志望に現役で合格する望みは薄い。だが今ここで勉強を投げ出し来年の試験に逃げてしまうようでは何回浪人したって合格はできないだろう、と思い歯を食いしばって毎日机に向かっている。が、現役合格に向け夏の遅れを取り戻そうと健全な精神状態で励んでいた秋頃に比べ全く勉強に身が入っていないし、現に今こうして本来睡眠に当てるべき時間を勉強もせず特に目的のない夜更かしに費やしてしまっている。

数日前の面談で担任に浪人する覚悟はあるのか?と問われた。第一志望に受からなかった場合には浪人をすると決めてあるはずなのになぜか「はい。」とは返事できなかった。結局は覚悟がないのだ。今年の合否に構わず残りの時間必死で追い込む覚悟も。一年真面目に浪人する覚悟も。かといって滑り止めの大学に入学する覚悟もできないのだ。


こんなことを書きたい訳ではなかった。他に書きたいことがあったのに。冷静な理性によって創られた理想や計画は確かに存在しているはずなのに結局は目先の感情に支配され行動するほかないのだ。今の私は。


段落のはじめの空白消えた。あれれ、

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