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莫迦な男  作者: 文月遊冶
6/13

―売買観―    6/14

 「とは言え、さあ、いよいよ入ってしまったぞ。」そう思わずにはいられないのは商店に対する僕のある種の固定観念が原因だろう。商店というのは文字通り商いの店だ。つまり店員は客に対して自分が揃えた品を買ってもらうことを生活の糧としている。僕は逆に言えば客である身分はその店に入るからには必要としているものがあるからであって、何も買わずに出ていくのは店の程度を値踏みしたような感じがしてあまりに失礼だと、考えすぎであるのを重々わかっていながら、尚購入を前提としてものを見ざるを得ないのである。

 それでいて雑貨と呼ばれるからにはそれはもう目に余るほどの品が所狭しと並べられているのだ。すべてを各々見ていると、とてもかくてもとまではないにしても時間というものが足りなくなる。その裁量が難しいのだ。予定ある身故、長居はできないと自覚しておきながらも先の観念がそれを難儀とする。

 なんて生きづらいことをしているのであろうかとは自覚しながらも、しようがないことに妙な戒律を作りそれが自らの首を絞めていたのである。


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