表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
莫迦な男  作者: 文月遊冶
12/13

―回帰―     12/14

 「うん。ああ、そういえば。」何とはなしに衣嚢に手を入れてみると、そのハンケチに触れる。今更そうしたところで如何なるわけでもなかろうに。そう思うよりも速く、妄想した論理が蘇ってきた。するとどうであろうか、胸中の暗雲は徐々に晴れ行き、いつしか余裕というものがそこに芽生えていたのである。置かれた状況下なら寧ろあの仏頂面した雑貨屋が浮かぶはずなのにと不思議がっていたが、次第僕はそれをお得意の、しかし無駄な思考で納得「させた」のである。

 雑貨屋は一種の論理展開を内装としていた。そうすることで、何もかもが泰然としていたのである。そしてその論理の始まりはこのハンケチであった。僕はこれからこの煩わしい店主から二三と話題を振られるに違いない。それに対して、確固たる主張と根拠を示せばいいだけじゃないか。どれだけ話したってそれは問題じゃない。大切なのは隣の商品と最終的にはハンケチなのだ。

店主の問いかけは陳腐な世間話に移っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ