FPSトッププレイヤー
宜しくお願いいたします。
昼休みになり、食事を取る七魅。
机の足を引きづる様に、くっつけてくる、隣席の媛川。
「ナナちゃん、お弁当食べよー。お腹ぺこぺこだよね!」
媛川が話しかけてくる。
「はい、媛川さん。」
1クラスメイトとして接した。
いつもの様に、お弁当を食べる。
媛川はいつも、机にみかんジュースを置いている。名前が、みかんだけに好きらしい。
「ナナちゃん、1度でいいから見学に来ない?」と毎度の様に口に出す。
「いや、今日は用事がありまして‥‥。」と七魅が言う。
と言えば、「また今度お願いするね。」と笑顔で返し、引き下がる媛川なのだが今回は表情が変わっていた。
「実は、FPS競技の部活は最近始めたんだけど上手く部員が集まらなくて、内の高校はサッカー、野球、バスケ、バレーとか運動部が活発だから他に流れて行ってしまうんだよね。その部活を目指して入学する人もいるからFPS競技がポツンと残されちゃってさ。」
七魅は、媛川の悲しげな表情を見る。しかし、七魅の心は揺らがない。1人でいる方が楽な気がしているのだ。
と考えるていると、媛川が何かを取り見せる。
「見学だけでも来てくれたら、コレをあげたいと思ってたんだけど。」
媛川の手には、FPS競技愛好者なら知らない人は居ない。昨年のFPSW杯アメリカ大会の数量限定の開催記念メダルが輝いていた。コレはマニアには喉から手が出るほど欲しい逸品なのである。
「媛川さん!用事明日だったみたい。できたら見学させてくれない?」
顔には出さないが内心メチャクチャ揺らいでいる七魅であった。
「本当!嬉しい。じゃあ放課後宜しくね。ありがとうナナちゃん。職員室に行ってくるね。先生に遅刻の事で怒られてきます。」とハニカミならが出て行った。
すると媛川が戻ってきて、例のメダルを渡す。
「んじゃ。」と一言行って戻って行った。
メダルを手に持ち確認する七魅。
昨年のFPSW杯アメリカ大会は、七魅も参加していた大会だった。
15歳未満女子ソロの部に参加していた。
七魅は中学3年生、Uー15日本ランキング2位で代表選考で選ばれた。世界ランキングでは9位として注目を浴びていた。
アメリカ人の父親は、社会人男子部門で世界ランキング1位
日本人の母親は、社会人女子部門で世界ランキング4位
ランキングは自己最高位の成績になる。
七魅は、FPS競技者のサラブレッドとして生を受けた。
勿論、進学先もFPS競技のトップ高に推薦で決まっていた。
そのトップ高とは、FPS競技全国高校ランキング1位の【私立五ッ星高等学校】だった。
ある練習試合の際に、亀裂生まれ転校をする事になるのだった。
眼を通して頂きありがとうございました。
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