部活。
「どうする?」
俺は帰り道で莉明と別れた後も部の名前や、活動内容について考えていた。
(今日、入部したばかりなのにいきなり課題があるとは・・・)
「ふぅ。」
帰宅後、俺はよく考えたが答えがでず寝てしまった。
翌日
俺はいつものように登校して、いつものように授業を受けた。
そして、いつもと違うのが部活に行くことだ。
(これが日常になればいいが・・・)
「おーっす。ってまだ莉明来てないのかよ。」
(っあそうそう早く部の名前決めなきゃ。)
・・・・・
「わからん。全然名前が浮かばない・・」
急にドアが開いた。
「おーう!!小谷!ちゃんと部活に出ているな!!!よろしい!!!」
ドアが閉まる。
(・・・前林!!何なんだよあいつ!!!急過ぎて息止まっちゃったよ!!!)
ドアが開く。
「うわぁ!!」
「うわぁ!!どうした海人!?急に大声を出すな!!!私も驚いてしまったぞ!!!」
小さい影が見えた。
「莉明か・・・」
(また前林が来たかと思った・・!!!!!)
「なんだ!私じゃ何かつまらんのか!?」
「そうじゃない!早とちりだ!」
「じゃ何なんだ。」
「莉明が来る前に前林先生が来たから、また来たと思って驚いただけだ。」
「何だそれなら早く言え。」
(言おうとしたけどお前がその間さえくれなかっただろ・・・)
「はい。はい。分かりましたよ・・・」
この後少しもめたので部の名前のことに話をそらすとまんまと引っかかりやがった。こいつチョロいな(笑)
「私はもう部の名前を考えているぞ。」
「なにっ!マジで。」
相手のテンションを上げるため少し声を張って驚いってやった。
「マジだ!」
莉明がドヤ顔でオレオ見てくる。
ほんとにチョロい(笑)
(これでも高二かよ・・・・・笑)
「で、名前は?・・・・」
「その名も・・・『何でも部』だ!!!」
(あちゃー・・・・前に俺が考えてた名前とかぶったーーーー!!)
「あ、うん・・い・いい・いいと思うけど考え直そう・・・」
「えー!なんでだ海人!!!」
「その名前で部を設立しようとしたら前林先生に断わられたからだ・・・」
「そうか・・考え直そうじゃないか。」
莉明が考えたこの部の名前はド○クエ風に言うと会心の一撃だったらしい。
「うーん。」
俺は唸る。
「ねぇ莉明?」
「何だ?」
「何でも部って何でもやるってことだとな?」
「そうだが?」
「だったら『万能部』ってのはどうだ?」
「・・・『万能部』?」
莉明が目を点にして聞いてきた。
「要するに『何でも』って言葉を『万能』って言葉に変えただけだ。これで部の名前って感じだろ。」
「ほうほう。」
どうやら分かったようだ。
「これでいい?」
「よかろう。」
何かあっさりと決まってしまった。まぁいいだろう。
「そんで、活動内容は部の名前の通りでいいな?」
「うん。」
莉明の声が小さくなる。
「どおした莉明?」
「最近は部活らしいことをしていいなかったからなんか不思議な感じで・・・」
莉明も俺と同じで久しぶりに部活というものを感じられたのだ。
「そうかもな。でも楽しいだろ。」
「そうだな。海人。」
この後、俺は部の名前を変更するために職員室に行き用紙をもらいに行った。
「莉明ちょっとこれ記入してくれ。」
「ちょっと待て海人。部長は誰がするのだ?」
「莉明に決まってんだろ。」
「なぜこの私が?」
「なぜって、今もおまえが部長をしてるじゃないか。」
「でも『万能部』って名前も海人が決めてくれたし、活動内容だって・・」
「莉明!!」
莉明が驚く。
「莉明。俺が入部したとき莉明が喜んでくれなかったら、莉明がいままで前の部を残してくれなかったら俺は今頃前林先生にとんでもない部活に飛ばされるとこだったんだぜ。」
莉明が微笑む。
「そりゃ初めはとんでもない部に来てしまったと思ったけど、入部すると今のように楽しくて笑顔でいられてるから・・・」
「だから部長は・・・」
莉明が急に椅子に立った。
「何を言っている!!私が部長に決まってるだろう!!海人には荷が重すぎるだろ。」
(莉明らしいな。)
「じゃあ莉明帰るか。」
「そうだな。」
用紙の記入欄をすべて埋めたと同時に下校時間も近かったので用紙を片手に職員室に行き用紙を提出し、帰ることにした。