表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/16

【第4話】じゃじゃ馬ならし -⑨ー

あーひさびさに筆をとりました^^;

コロナとかもあって、この業界、大変ですのよー

「はあ?!そんなの自分は聞いてませんよ!!」


夜中。薄暗い部屋で、男の激昂が響く。


「まあ、落ち着け真中」


ぴちっとしたスーツの上にここ『そよかぜホール』のスタッフジャンパーを背負った初老の男が諫める。


「現場レベルで勝手に動いてて、ああ、奈落も使うんだ、位にしか認識してませんでしたのに・・・こういうことならもっと早く統括である自分に仰っていただければ」

「・・・すまん。しかし、急遽先方から差し込まれた案件でな」

「にしても!舞台周りはともかく、制作サイド・・・レセプショニストは大混乱で」


「わかっておる!!」



真中も前から薄々わかっていた。ここはあくまで「公共ホール」だ。県が金を出し県知事がその自分の『勢力』を誇示するために使うことも、まあ、ままある。そういうものだ。

昔から芸術を権力の武器にするなんて、ああ、よくあることだ。


(今回のツアー芝居も、今を時めくトップ女優:久慈原ヨリカ様の主演舞台。共催事業にありつけただけでもしめしめと思うのもだ。主演女優のワガママくらい、人が死ぬ以外全部受け入れるだろうな)


「けれども、今回の公演はヨリカ様なくしてはありえない。当館としては全力で対応してくれ」

「・・・・・はっ」


一礼して、ドアを閉め、その部屋を辞してエレベーターに向かう。



「天下りが!!!!!!」


拳で壁をぶん殴る・・・ふりだけ。

ほんとに壊したら懲戒処分ではすまない。


真中が激高できるのは、このエレベーターの中だけ。

しかもそれは「やったふり」までなのだ。


「役者って羨ましいな」


なんとなくごちた。



-----------------------------------------------------------------


カタ、

カタカタカタ、


「ん、む、ん~~??」

「あ、モギー先輩、おはようだってやつですね」

「え、あ、、、鎮香、ちゃん?」

「ですよー。昨日はちょーっと飲みすぎましたね」


と、先輩の相手を軽くいなしつつも、私はPCに没頭している。


「し、鎮香ちゃあん、、こ、ここどこ~?」

「ネットカフェですよ。たまたま2人組OKな部屋が空いてたもので」

「そ、そなの~~~ なんかごめんね」


フリードリンクだというオレンジジュースを大量にせしめてきてたので(違法ではないはず)、それを先輩に渡す。


渡す。


飲んでくださいね。


飲まねーな。


「鎮香ちゃん、おのどかわいた~~」



飲めっつってんだろ!がー!!!


ごぶろわっ!!


・・・・・


カタ、

カタカタカタ、


「鎮香ちゃあん、、、ここどこぉ??」

「だぁから、劇場近所のネットカフェですって。モギー先輩、かなりアレな状況だったので」

「あ、あれって?」

「ともあれ、酒は飲んでも飲まれるなってやつですよ」

「ほ、ほわわ~~ 鎮香ちゃんに言われるなら、そうなのね」


そうなんだよ!もうメンドクサイ先輩だな!!


「で、でっも~、そういうとこ、変わんないね鎮香ちゃん。だから大好きだよ~」


!!!


もうくそ、こっちだって大好きな先輩なんだよ。なんだこれはBLか?!

(作註:たぶんコイツもまだ酔ってます)


くかー


とまた寝てしまったモギー先輩を膝枕しながら、

(そういう態勢しか取れないんですよ!)


カタ、

カタカタカタ、


私がいまネカフェのPCで調べているのは、あの、

久慈原ヨリカと、今回の公演の異常な対応のこと。


今回の公演・・・ツアーで、

この「そよかぜホール」がなんで特別なことに

「特別にしたい」となってるのか、、、


私はここにまだ来たばかりではあるのだけれど、、、


知っておかないといけない「気」が、


したのだ。



・・・・・


【検索結果】




な、


なー!!!




(続く)










評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ