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【第4話】じゃじゃ馬ならし -④ー

あ、いや、ね、、、 前回のラストで風呂敷広げすぎて次の展開を書きあぐねていたといかね、、、はは、すみません><;

楽屋を、


ぜ、全部、、、



どっかの時代遅れのバブルやろーの、クラブ貸切りってのりかよ!



なんて、ツッコミも入れれぬまま、


「楽屋全部占拠って!! 何様ですのよ!! どっかの時代遅れのバブルやろーの、クラブ貸切りってのりかよですわ!!」


あ、同じ思考回路。



「ヨリカ様ですからですか?! そ、それはそれはうちのホールとしましては」


ばちーん



と、


またこれは、誰それへの攻撃ではなく、照明チーフ:襟矢さんの空を切る平手打ち。ただ、空で拍手しただけ。でもそれが予想以上に空気を一変させた。


ぱ、ちぃぃ~~んんん



・・・



「は! あ、あの」

「ああ、あのお嬢様がなぁ・・・ はは、大変だな受け入れ側は」

「ひ!他人事ですか?? そんな!」


ぐ!っと襟矢さんに勢いよく詰め寄るモギー先輩だったが、そこは大人の対応、、、上手くいなして


「あれは、、、ヨリカ様は、俺も局付き(TV局担当)のときに関わったが、、、はは、相変わらずだな」

「相変わらず、、、こんな横暴でしたの?!」

「いや、あれはな、、、 っと、確かこの芝居、ツアーで回っててこの小屋で千秋楽だったよな?」

「、、っへ?」



っと、間



その辺の事情はさすがに主人公のワタクシでも知らないのだ。

今日、いきなり飛び入りで管理スタッフになったワタクシ:袖中鎮香としては、

(さりげなく自己紹介)



でも、そんな私なりに分かることは、、、ある。


ビッグネームが出演する舞台は、概ね帝都から発信し、全国ツアーを回って最終、、、どこかしらの土地の劇場で千秋楽を迎えるのが常だ。


そしてどうも、状況的に、今回もそんな状況でそんな風に全国を回ってそんな感じでここ「そよかぜホール」が千秋楽の地と選ばれ今に至るのだろう。



だが、



楽屋を主演女優が全部占拠って、、、



「で、でも、いくらカリスマ的大女優だとしても、、、 共演者やコロス・・・エキストラさんも今回はたくさんいらっしゃいますし! その方々の控え室も必要だというのに、、、 こっちは!劇場側の私たちはどうすれば?!!」



っと。先輩、それは、、、



「それはレセちゃん、アンタの考える仕事ではないんじゃないか?」

「へっ??」

「あの大女優がなに我がまま言ってるか知らないが、そういう事態の場合、ここのホールでは『施設課』か、『制作部』に、、、あ、今回の芝居はこの小屋も『共催事業』になってたか。ならブッキングマネージャーの**さんの管轄だから」



??????



すみません、わかる言葉で言って下さい、、、っと、



「それは後々、追々わかるさ。ま、でっかい分色々部署や権限が細分化されててわっけわかんねーよな、この小屋!」


軽やかに笑いながら、バンドアをくるくる回しながら舞台方向へと歩む襟矢氏。



「さ、そんな中でも俺らは俺らのやれることをやるしかない。目の前にある仕事をな。とりあえず俺は、このバンドアを持ち込みの照明ヤローに届けなきゃいけないし、そっちの、えと」


私のことか?


「袖中です! 袖中鎮香!!」

「おう。鎮香ちゃんはそろそろ舞台上に戻らないと、操作チームも心配してるだろ」



そ、そうだぁ!!!



「で、あんた」

「は、ひゃえあ??」


で、なんでそんな萌えな反応なのだ、モギー先輩。



「あの、ま、その大女優さんは俺も一回、局のドラマ収録で一緒になったことがある。あれは、まぁ、、、不器用なやつでよ」


え? 襟矢さん、、、 なんかあのヨリカさまと?


「取り急ぎ、あんたのようなレセちゃんの管轄の仕事ではない。状況を憂うのは、まあ、人としてわからんでもない、が、とっとと上へ報告に走ったほうがいい。今、あんたのできることはそれだけだ」


そう、そうなのだ、、、ろう。



一般素人が聞いても、なんとも理不尽で横暴でやりたい放題な振る舞い。


一般ぴーぽーが聞いたら、そっこーネットで炎上だわさ。



でも、ま、この業界では、、、



と、




がしゃーん!!!




と、



我々の頭上に、一番聞きたくない『音』が!!!



我々の真上・・・それは中ホールの舞台。



がしゃーん!!




なにが、どれが、どう、、、 ともかくも




「事故かよ、はっ、、、 物損ならともかく、人身ではないことを祈ろうぜ」


言うやいなや、奈落方面から舞台上へと走る襟矢さん。



出遅れたが、私としてもこれは、一番劇場では聞きたくない『音』だった。



はっと、逡巡した間を後悔しつつ、急ぎ私は襟矢さんのあとを追い駆け出す。


「鎮香ちゃん! 大丈夫なの??」



うるせー



と、


一瞬思い、瞬間すみません。




そんな私の複雑な心理環境を見透かしたように、先を行く襟矢さんが振り返ってこう叫んだ。



「レセちゃんができるこたぁここにはねぁ!! 早く施設課にでも行って状況を伝えろ!!」

「え?! でも、私は」

「今あんたのできることをやれってんだよ!! 情報!!それも大事な武器だ!!」


ほ、なるほど


「は、はいぃぃい!!!」



流石は百戦錬磨の(勝手に位置づけ)照明チーフさまだ。


「でも、、でもぉおお!!!」



「なんなんだよ!!」

「なんなんすか!!」


ほぼ同時



「ど、どうやって、、、事務所にいけば??」





そして、ため息ひとつ。いや私の分も入れてふたつ。



「・・・ったく!! 俺について来い!!!」




ひゃっ!!


昭和の漫画以降、てか、リアルで


「俺について来い!!」



なんて台詞、初めて聞きましたわよ。




・・・え


って、



なんで、頬をあかくしてるのだ、、、、、


モギー先輩~!!!!!



(続く)











劇場あるある


あってはならないんだろうけど、、、実際、この間あった、本番中の「音響システム全ダウン」、、、 本番の進行、もうね、修羅場でしたよw

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