第1話 さよなら俺の人魚姫 3章
「文句言わない!さっさと掃除す────るっ」
「だからなんでだよ!?」
曜介が俺の言葉にツッコミを入れる
実は、みんなに掃除を頼んだのは、深い理由があるんだ…
「この海の家やってる俺のおじさんが病気になったんだよ
もう20年も続いてる店を今年だけ出さないわけには行かないだろ?
だから俺たち風男塾でなんとかしたくてさ…」
「おじさん、サーフィンやってるよ?」
狂平が海の方を見据えて言う
「虎次郎元気かー?」
─ちーん─
「まぁまぁ、バイト代はずんでくれるって言うし、いいじゃん!
交代で休憩もやるからさ!」
そう言いながらみんなの背中を押す
「結局コジ先輩がバイトしたかっただけじゃないですか」
光黄が呆れてるけど無視無視!
それよりも気になったことをみんなに聞いてみる
「ところで桃は?来てないけど」
─そのころの桃君─
「わ───っすごい!
最近の海は緑なんだね!コジくん!」
町内会の山登りツアーに参加していました(笑)
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「ねぇあそこの売店の男の子かっこ良くない?あの海の家の」
「声かけてみようか?」
「ふんっ」
近くで女の子の声がする
「氷イチゴ2個くださいっ」
お客さんだったみたい
「ねぇねぇバイト中?一緒に泳がない?」
逆ナンされちゃった♪
でもまだ仕事中だからかっこ良くかわす
「ごめん、休憩いつかわかんないんだ
時間できたらこっちから声かけるよ」
両手を顔の前で合わせて申し訳なさそうにする
「きゃーッ♡本当!?」




