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光が収まるとそこに存在していたのは人間のような生命体であった。
体長は我々と同程度。
体重は計測していないので不明である。
他の第四世界からの召喚物と同様魔力を感じない。
それは私を見てぎょっとした。
しかしすぐに落ち着いて音声を発した。
通訳用の魔法を起動する。
<始>
<波>
<意思疎通b>
<終>
魔物と簡単な思念を交換するためのものである。
それから送られてきた思念は想像を絶するものであった。
人型の魔物はいくらでも存在した。
だがそれはそれらとは一線を画すようだ。
それは問うた。
曰く、「ここは、どこだ?」
私は驚愕した。
これが私の、いや違う。
この世界が初めて出会う異世界の知的生命体である。