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魔術師になったなら  作者: 宇佐田
〈1〉
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1-2



お師匠様の獣形――獣性を表に出して変身した状態は、ネコ耳スタイルです。手足は髪の毛(金髪)と同じクリーム色の毛皮におおわれますが、顔立ちの基本はほぼヒトのままで、耳の位置も横付きです。


体格も元の姿とそう変わりません。他のひとたちは2、3回りくらい膨れ上がった大きさになりますので、較べると小柄です。較べると。


わたしから見たら、大きいです。普段の状態から、180センチは越えてると思います。もしかして190センチくらいあるかも。でも、こちらの男性にしては低くて、すらっとしています。


魔術師の道をえらぶ人は、基本、魔力が強くて、獣性が弱い。体格や身体能力に劣る代わりに、魔力がとても強いんです。



お師匠様を見てると天職っぽいんですが、他の方の闘い方を見てると、微妙な気分になりました。



何ていうか……獣性皆無の人が、この世界にはいないように、魔力皆無という人もいないんですよね。


生活のあらゆるところで魔力が利用されています。おかげで現代日本から来たわりに意外と快適です。


そんなですから、獣性の強い人でも、けっこうな魔術が使えるんですね。獣人のひとたちが魔術を補助にして敵である魔物に突っ込んでいく様は――畏怖を覚えるほどの迫力がありました。



それで……あれを見ちゃうと……魔術師の立場が無いというか。あんまり必要じゃ無さそうというか。


もちろん、戦闘においては、ですよ。


日常生活やその他もろもろでは、魔術師は物凄く活躍してますし、必要とされています。


ただ、こと戦闘に関しては、ぱっとしないんですよね。



修行時代には、ほとんどのひとが必ずギルドに登録して、依頼をこなしてレベルアップを図るそうなので。当然、数々戦闘にも参加しますよね。


そうなると、男性の魔術師のひとは、なんか複雑な気分だろうなぁ、と。


というか、子ども時代からして、何らかのコンプレックスを抱かずにいられないんじゃないか。という想像が微妙な気分になった理由です。


わたしは女ですが、魔術師として生きていこうと思っているので、そういう風に感じてしまいました。



でもまぁ、いいです。ある程度の実力がついたら、町に引っ込んで、魔術関係の何かを売ったりするお店屋さんでもすればいいんです。なんか薄ぼんやりした目標で恐縮ですが、まだまだ修行中の身ですので。


そのためにも、ギルドでせっせとお金を稼がなくちゃいけません。



……早く連中と縁を切りたい。



あ、いけません。なかにはまともな男性もいるのに、十把一絡げはよくありませんね。アイツらがわたしを「異世界人」でくくって見てるのと一緒になってしまいます。


人づき合いに偏見はよくありません。


あのひとたちのことは敬して遠ざければいいんです。ん。やっぱり偏見を捨てるのは難しいですね。生理的嫌悪にも根づいているとなれば尚のことです。


でも頑張ります。何とかうまいことやってみせます。



お師匠様だって、あんな自由人な性格なのに、ギルドの偉いさんとは義理をもって接しているではありませんか。その縁があって、わたしを弟子にして下さったんですから。


いくらキモくても、うざくても、上手につきあってみせますよ。大人なんですから。建前上手の日本人らしく、明日も笑ってみせましょう。



よし、ポジティブ。



いつかきっと、この最強魔力を使いこなせる、かっこいい魔術師になるんだ!







※獣形で「2、3倍」ってとんでもないこと書いてたので修正しました。

 4m~6m超えじゃねえのそれ。ねえよorz(12/07/27)



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