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5-8.

 そうして、まずはと貴族向けに絵本を売っていたところ、待ちに待った私の利益分をエッドガルドさんが持ってきてくれることになった。

 ──これでやっと貧しい人々にも絵本を読んでもらうことができる。

 嬉しさに、顔がにんまりとだらしなく緩む。

「ああ、そうだ。アンヌ」

 朝食の席で、お父さまに声をかけられた。

「はい、お父さま」

 私はカトラリーを置いて、身体の向きをお父さまの方に向ける。

「教会の学び舎に絵本を寄付する件だけれどね」

「はい? なにか問題でも?」

 もともとお父さまには許しを得ていたので、不思議に思って首を傾げる。

「ああ、いまさらダメとかそういうことじゃないよ。例の学び舎はね、公主さま直々に発案されて施行されているものなんだ。だから、それで使いたいとなると、先に公主さまにお手紙を送った方が良い」

「……公主さまにお手紙」

 国のトップにお手紙。

 うわ、ハードル高い!

 私は、前の国での妃教育で、デラスランド公国の読み書き、話すことも聞くこともできる。でも、お相手がまさかの公主さま……。

 意気揚々としていた私の気持ちが限りなくどん底に落ちた。

 あれ、でも、あのときご一緒した公子さまが、公主さまになっているのよね……?

 だったら大丈夫かしら?

「まあまあ、アンヌ。私も手伝うから、な?」

 そうしてその晩、お父さまが帰宅してから、私が書いたものをお父さまに添削してもらったのだった。


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