大塚君とにきび
「僕のほっぺのにきびを潰してください。」
大塚君は、ふっくらほっぺに出来たにきびを指さした。
自分で潰せばいいのに。
しかし大塚君の頼みとあらば、やるしかない。
私の指が大塚君の顔に接する。
大塚君は目をつぶる。
「や、やさしくお願いします。」
にきびは、指に少し力を入れただけで、むちっとはじけた。
にきびの中にあった汁が指先に付いた。
大塚君はそれに気が付いて、アンパンマン柄のハンカチを取り出して、私の指を拭った。
「ごめんなさい。変なことをさせてしまって。でも、よかったです。」
大塚君は、申し訳なさそうに目を伏せた。