第9話 新天地へ
「ふぃーっ 気持ちーー!!」
煽ってくるやつを煽り返しボコボコにしたホシノは気分が良くなっていた
「にしてもあいつの周りに浮いてたドローンみたいなやつなんだったんだろ あそこから攻撃してくると思ったのに何もないし」
ホシノは配信者用撮影ドローンを勘違いしていた
「いやー 私、煽ってくるやつにはあんなハキハキと喋れたんだ ムカムカしてたってのもあるけど、あれをリアルでやるとか大勢の前で喋るとかムリだわ〜」
残酷なことにホシノはヨーチューブの陽炎のチャンネルの配信にがっつりと映っていることにまだ気づいていない
「私何しようとしてたんだっけ あぁそうだ、「迷宮入り」の隣にいいエリアがあったんだっけ」
隣のエリアに行くことを決めたホシノはそこに向かって歩き出す
「着いたー!AGI500の力は偉大!」
そこは、緑豊かな大地が広がり大量の羊、牛、鶏のいる まるで牧場のような場所であった
ただ、羊は禍々しいオーラで包まれており全身が紫色
牛は筋肉ムキムキでありその姿はもはやミノタウロス
鶏は背中辺りから蛇が生えているコカトリス
「oh 緑あふれる大地に似つかわしくない猛獣が沢山....」
ーーーこのモンスターと戦いたくねぇ
そう思ったホシノは近場にあった街へと向かう 人見知りということを忘れて
「人が...いない?NPCしかいないなんて神か?」
実はこのエリア「豊かな猛獣」に到達した人物はただ1人 ホシノだけである ホシノの足の速さが速いからできる芸当であり普通の健全なプレイヤーはAGIの数値が高いからと戦闘を回避したりしないのだ
ただホシノにとっては早く新しいエリアに着くことで人がいない天国を味わっていた
「やっぱRPGなんだし武器屋と防具屋だよね!それに道具屋 どんなアイテムがあるんだろ〜!換金素材はたくさんあるからそれで買っちゃお」
ホシノは街のいたるところの武器屋、防具屋、道具屋を探し回った
2時間後〜
「はぁぁぁ 道具屋でポーションと状態異常を消すポーションを手に入れたのはいいけど武器屋と防具屋にいま身につけてる装備以上にいいものがねぇ!」
当たり前である ユニーク装備は強力でそこらの武器屋と防具屋に負ける性能してたらユニーク(笑)になってしまう
ともかくそのおかげでお金が有り余っていた
「あと行ってない場所は〜 ん?スキル屋?なにこれ「冒険に必要なスキルが揃っています」よしいこう」
街のマップを開き行っていない場所に目を通すと「スキル屋」たるものに目を惹かれる
「いぇい!スキル屋!(人がいないから言えること)」
スキル屋様々なスキルに関することがあり、使うだけでスキルを覚えられる「スキルの書」、強力なスキルに関する情報などを買える ホシノはとりあえず店にあるスキルの書を見てみる
「やべ、超楽しい ずっと居れる」
スキルに夢中になり、買うスキルを決まったのは5時間後だった
ホシノ レベル 20
HP14000/14000(端数切り下げ) MP 10/10
STR 0 INT 0 AGI 500 DEF 0 DEX 0
ステータスポイント:200
スキル
隠密 歪んだ感情 ヒール(呪) 呪いノ祝福
NEW! 緩んだ力 ノー勉 柔らかい体 落ちた腕
再生 リジェネ 薔薇の棘
緩んだ力
STRを10%下げる代わりにHPを10%上げる
ノー勉
INTを10%下げる代わりにHPを10%上げる
柔らかい体
DEFを10%下げる代わりにHPを10%上げる
落ちた腕
DEXを10%下げる代わりにHPを10%上げる
再生
HPが7割以上の時、身体が欠損すると再生する
リジェネ
HPが7割以下のときHPが毎秒0.1%ずつ回復する
薔薇の棘
自らの全身に棘の鎧をまとい、相手と接触したとき相手にダメージを与える しかし自らもダメージを受ける
「ふへへ、いっぱい買っちゃった....だってこういうお店テンション上がっちゃうもんね」
「全部私に相性ピッタリのスキル...完璧....まずは更なるHPを目指し元から0のSTRINTDEFDEXを下げ、HPを合計40%増やした さらに、体の一部が亡くなっても再生できるスキル「再生」これあればほぼ不死身 それに拍車をかけるようにリジェネで耐久を上げていく....これで私がデスすることはもうほぼないだろ 薔薇の棘は.....とりあえず呪い以外で攻撃手段が欲しかったからとった」
店内に1人ぶつぶつとスキルを語っているホシノは完全に不審者にしか見えない ここにまだ人がいなくて助かったといえる
ーーーとりあえず今日はいろいろあって疲れたしもうログアウトして寝よーっと
そのままホシノはゲームをログアウトをしてお布団で眠りにつく
ホシノは、いま陽炎の配信を中心に大騒ぎが起きていることに気づいていなかった




