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第8話 煽りプレイヤーとしての誇り(笑)

 陽炎はひたすらにポーションを飲んでいた1分という長い呪いの状態異常を耐え切るため ただ、ホシノも何もしないわけがなく


「あなた友達いなさそうですねぇ〜 煽りなんてしてたらそりゃあ友達いなくなるし〜現にこうやって煽り返されるという屈辱を味わう羽目になるのに〜」


 ホシノの素の攻撃力は所持しているユニーク武器によりもはやマイナスにまでいってしまっているため攻撃しても相手にダメージは与えられない、そのため口撃をしている


そんな地獄のポーション口撃時間が終わってしまう


「お前のHPなんかあるだろ」


 陽炎の第一声はそれだった


「もうポーション飲まなくていいんですかぁ?さっきまであんなにがっついてたのに」


「うるせぇ!さっさと質問に答えやがれ!」


「なにもないですよ タネも仕掛けもない 言うとするならばお前の暗黒剣(笑)がそれだけ弱かったって話じゃないですか?w名前負けしてますもんねw」


「俺の暗黒剣を馬鹿にするんじゃねぇ!!」


 陽炎はホシノの言うことを信じていないどころか煽られて冷静な判断を失い、ホシノのHPに何か秘密があると信じきっている

 ホシノになにかあるはずだと、急所のようなものがあるはずだと 陽炎は再び小さな希望どころか希望すらないのにホシノに斬りかかる


「あなた馬鹿ですねw」


「ちっ!!くそが!!!」


 結局何回斬っても何の成果も得られず、ただホシノに呪い返されセルフポーション飲み選手権を自主開催するだけだった

 そんなことを何回も繰り返していくうちに、陽炎は2つのことに気づいた、いや気づいてしまった


 1つはポーションがないこと


「あれ?ポーション飲み終わったのに攻撃してこないんてますか?びびってる?それとも...ポーションがなくなったとか?」


「.......ッッ!」


「当たりですね」


 そしてもう1つは.....


「お前、なんでHPが全快なんだ....?」


「さぁ?貴方がポーションがぶ飲みしてる途中にこうなっていました」


・こいつポーションもうないの図星突かれてやんのw


・もうポーションがぶ飲み見れないのか...巻き戻してもう一回見てこよ


・↑どんだけ気に入ってんだよw


・ほんとに巫女ちゃんいつ回復したんだ


・俺ずっと巫女ちゃん見てたけど陽炎がポーション飲んでる間にちょっとずつ回復してた気がするぞ


・ずっと見てたとかまじかよ てか巫女ちゃんって呼び方定着してんな


・巫女ちゃんかわいいから


・おそらく何らかのスキルだろうか?


・もしかしたらオートリジェネ(自動回復)ポーションとか持ってるかもしれない まだ未発見の物だがこのゲームのどこかにあるかもな


・ポーションなら分かるがスキルはもうたくさんありすぎてなんのスキルかわからんな


・現状今の所自動でちょっとずつ回復するなんてスキルないな だからたぶんユニークスキル


・まじか ちょっとそのスキル詳しく見たい


・絶対ちょっとだけじゃ済まないだろ 逃げて巫女ちゃん


・草


 ホシノはスキル ヒール(呪)で陽炎の受けた呪いのダメージの20%分のHPを回復していたため、ポーションをがぶ飲みしなければいけない呪いのダメージ量でホシノのHPは回復していたということだ 

ただ、そのHPが全快していたというどうしようもない事実に陽炎は焦っていた いままで信じていたHPの秘密は無くて、なんらかのスキルがあってHPを削ることは不可能だと気付かされてしまった

それは煽りプレイヤーとしての誇り(笑)を失うほどのものであり、だから普段の陽炎は絶対に取らない行動をとってしまった


「くっ!くそがぁぁぁ!!」


「逃げた.....wwwwwwwwww」


・逃げたwwww


・[悲報]陽炎 煽ると決めた相手から逃亡


・草


・巫女ちゃんめっちゃ笑ってるw


・かわいい


・それな でもこのままだと逃げられるぞ


・確かに こいつ無駄にAGI400あるからな このゲーム内じゃかなり速いぞ


・まじかー どうにか巫女ちゃん捕まえられないかな 頼んだでー


・巫女ちゃんが全力疾走中の陽炎追いつけるスキルかAGIがあるかやな


・嗚呼 昔「俺は雑魚から逃げねぇんだよ(笑)」とかいってた頃の陽炎の誇りは何処へ


・草


・そんな誇りもうポーションがぶ飲みの時点でないだろw


・笑wwww


 陽炎は不運にも煽ると決めた相手が異常にHPが高く地道な耐久戦ができ、さらにはAGI500あるだけだった そうAGIが5()0()0()ある 

 つまりAGI400(笑)の陽炎は逃げられない 


「逃がすと思ってる?」


 ホシノは陽炎にAGI500の力で急速接近 やがて追いつき、そのままの勢いで押し倒し、マウントの体勢になる


「なっ!なんでお前が俺のAGI400に追いつける!!」


「ただ追いついただけ しいていうならお前が雑魚だっただけなんじゃない?」


 陽炎には2つの感情が入り乱れていた 怒りと恐怖、今まで雑魚呼ばわりしていたホシノに逆に「雑魚」と言われたことに陽炎の怒りは有頂天 

 そしてその「雑魚」から逃走した挙句に追いつかれてしまう煽りプレイヤーとしての誇り(笑)が消えてしまうという恐怖

 陽炎はその精神状態でまともでいられず一心不乱に手に持つ剣でホシノに攻撃する ただホシノも何もしないわけもなく


呪い(カースド)、呪い、呪い、呪い........」


 陽炎は混乱し、呪われていることに気づかずに攻撃をし続ける


「呪い、呪い、呪い、呪い、呪い、呪い、呪い、呪い」

 

 やがて陽炎の身にかけられた呪いは重複し、陽炎のHPを0に減らしていく


「あぁ もう煽るのやめよ」


 そう思いながら陽炎は呪いによりHPが0になりキルされる

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