第13話 メタキャラ
とにかく走りまくって逃げ続けるホシノに1000対のモンスターが矢を放ってくる
「そんな矢、当たっても痛くないね!!」
扉を開けた時の理不尽なデスを根に持つホシノはモンスター達を煽る 足だけは速いホシノは無数に飛んでくる矢を避けまくる ただ物量の暴力により何本かは被弾してしまう
「チクチク当ててくれるなら大いに結構!!呪い!!そんでもって伝播する怨念!」
数本程度矢に当たっただけでは死なないホシノはその膨大すぎるHPにものをいわせ、受けた攻撃を呪いで敵にお返しする もちろんこれもユニーク武器の力で敵全員に呪いを付与する モンスター達のHPがゴリゴリと削れていく それに畳み掛けるようにホシノはモンスターに近づく ただホシノのSTRは0 これでは敵にダメージを負わされない
「攻撃力0を超えたパンチを喰らったことはある?」
ボゴォ
ホシノの放った拳は命中する
「呪い!」
ホシノは殴ったモンスターを呪う
スキル 薔薇の棘
このスキルは自身に触れたものはダメージを喰らうが、何故か自分自身もダメージを喰らうというもの 与えるダメージは最低1 自身のSTRの値が高いほど接触してきた者へのダメージと自傷ダメージが増えるというもの
これを敵を殴る際にも使い、そのときにでる自傷ダメージを「相手からダメージを受けた」とシステムが認識するという仕様を逆手に取り、敵を呪う
つまり(使用のイメージ)
ホシノ:くらえ!!薔薇の棘パーンチ!!!
敵:ぐっ ダメージを1もらってしまった!!
ホシノ:ぐぁぁぁ 私にも1ダメージがぁぁぁ!!!
敵:はっ!自らの攻撃でダメージを受けるなど馬鹿か!
ホシノ:お前....よくも私に傷を負わせたなぁ!!くらえ!!呪い!!
敵:なにぃぃ!!お前!!ただ私を殴って自分でダメージ受けただけだろぉ 何呪ってんだ私何もしてないだろ!
ホシノ:お前は一つ、重大なミスを犯した それはあのパンチで私にダメージを負わせたことだ それは万死に値する!
もちろん呪う権利はこちらにある!!
敵:ひどいマッチポンプ......(泣)
というただの轢き逃げのようなことをしているのである
そうしてホシノはモンスターを殴りまくり、その度にスキル「呪い」と「伝播する怨念」が発動する しかしモンスター共も負けじと矢を放とうとするがそうなる前にホシノは距離をとる そうしてモンスター共は呪いによって倒され光の粒子となり消える
「やったぁぁ!!勝ったぞぉ......お?」
YOU DIED
突如ホシノの目の前にデスしたことを意味する文章が表れる
「ど お゛じ で だ ょ゛ぉ゛」
口ではそう言いつつホシノは分かっていた、自分はなぜ死んでしまったのか
「あれ石像とかじゃなかったのかよぉ!!」
そう、ホシノは部屋に入った瞬間から部屋の奥に7メートルほどの巨大な石像のようなものがあることに気がついていた ただあまりにも微動だにせずに佇んでいたためただの部屋の家具程度に思っていた しかし実際は1000体のモンスターを倒したら急に動いた 初見殺しでしかない運営の悪意
「でもあんなん一度分かったら怖くないね!!急に動いたから反応ができなかっただけ!!」
そういうホシノは次こそはとあの石像(命名:ホシノ)へと挑む また1000体のモンスターを倒して
「1000体のモンスターなんて脅威じゃないね!!
さて、動くぞーっあのよくわかんない石像が」
(ボスモンスター) マレファックス
HP20000
大剣を用いて対象の命を刈り取る その威力は絶大でAGIも高く素早い動きが特徴 ただDEFがとても低い
「チョマッ.....」
YOU DIED
「無理!!あいつ速すぎるてか攻撃力高すぎるって!私これでもHP14000もあるんだよ!?1000体のモンスターの時も思ったけどどうしてこのダンジョンは私の武器の呪いと相性が悪いんだ...」
そう、敵との相性が悪すぎるのだ たまたま対集団戦のスキルを持っていたからどうにかなっていただけで 1000体のモンスターを相手するにはスキル「伝播する怨念」がなかったらもう攻略は不可能というほどだっただろう それに1000体のモンスターから放たれる1000本の矢はHP14000もあるホシノにとっては死ぬ以外の何者でもない
それだけではない あのボスモンスター(マレファックス)は一撃が重すぎるため、たとえ攻撃を受けて呪ったとしても受けるダメージと呪いで与えるダメージが釣り合わない 薔薇の棘でパンチしようにもホシノより速いため避けられてしまう 本当にホシノの弱点のモンスターしかいない
「とりあえずあいつに挑み続けて弱点を探す!!頑張るぞいっ」
そう言い今度こそはと扉の前に立つ




