第三話 人生ではなく狼生です
____あれ、ここは?確かさっきまで天使と話していたっけ。
なんだろうこの空間は。僕の体が浮かんでる。
いや、体なんてない。
「初めまして。」
「誰?」
「僕は、君が転生する世界について話しに来た。
具体的には、君の転生後にある大事な責任と役目について。」
「えっ?役目?どういうことですか?」
「君の転生先はフェンリルだ。」
フェンリル?人間じゃないの?
というかフェンリルなだけでなんでこうなってるの?
人生...じゃなくて狼生か。
そう呼んでいいか分からないけど...
「天使が言ってなかったのかな。
天使ができるのは、あくまでどの星に転生するか絞るだけ。
確実に人間に転生できるとは限らないよ。
後、この世界のフェンリルはたった一匹しかいない。
しかも特別な存在だ。後、転生先が決まったらもう、戻れないよ。」
マジですか。色々と忙しそうなことがありそう。
「特別な存在って?」
「まぁ、君が対話した天使と同格の存在。神の次に偉い。
だから、神の権能が与えられる。そして、それを扱う責任がやってくる。
これが僕が君に言いたかった責任についてだ。」
「言いたいことは分かったんですけど、肝心なあなたは誰ですか?」
「あぁ、言ってなかったか。僕のことは『師匠』と呼んでほしい。
後、僕は7代目フェンリルだよ。」
「7代目?」
代って、何だろう。
「フェンリルは、精神生命体。
魂が存在し、それに体が体現される。物理無効だよ。
その代わり精神攻撃が弱点になるけれど。
そして、フェンリルは初代から始まり、君で8代目だ。」
「なるほど。」
物理無効。チートともいえるけどその反面悪いことがあるのか。
気を付けないと。
「後、役目だけど君はこの世界を管理する立場になる。
だから、【この星を管理して、この星を守る。】
これが君の使命。」
「分かりました。」
「ちなみに、僕は君と入れ替わるから、起きたら彼らに頼んでよ。」
「入れ替わる?彼ら?」
「僕は君の魂と入れ替わるから、事実上僕という精神こと魂は死ぬ。
けどこれが僕たちフェンリルの宿命なんだ。
後、彼らってのは、君と同じ立場の2人。
君を助けてくれたり、相談ができる唯一無二の大切な仲間だ。
仲良くしてよ。自己紹介も忘れないで。
後、名前については彼らから直接聞いて。」
「分かりました。使命って具体的に何ですか?」
「えっと...ダンジョンを造ったり壊したり、
魔物を増やしたり精霊たちと会話したり、
造ったり壊したりと、様々な権能が与えられて、
僕らはそれを使ってこの星を管理する。」
使命って、意外と多くない?めっちゃ忙しいじゃん。
「後、魔神....これはいいや。」
んっ?魔神?なんて物騒な。
「あの魔神って...」
「それについては彼らに聞いて。」
「まぁ、託したよ。この星とこの星の生き物たちを。」
「分かりました。頑張ってみます。」
「あっ、そうそう。君の今世の名前を言ってなかった。」
僕の今世の名前?何だろう。
「君の名前は...う~ん。カイ。うん君の名前はカイだ。」
僕の名前はカイ。何だろう。しっくりくる。
「君が死ぬときには、最後の使命として次の子に
名前をつけるから考えておいてね。」
「そろそろ時間だね。この星をこの星の生き物を守っていってくれ。
頑張ってね。さようなら。」
「短い間ありがとうございました!」
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僕は、どうやら次の人生、じゃなくて狼生を生きていくらしい。
前世でも今世でも忙しくなるらしい。前世は散々だったんだ。
天使様も、見ていて楽しめるようなものを見たいっていってたし。
今世こそ、生を楽しもう。さぁ、第二の命、頑張りますか。
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