表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あの~、すみません。陰キャを修羅場に巻き込むの止めてもらえませんか?  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/109

67

 新入生合宿から数日後、当然僕も普通に登校していて入間さんも今日から無事登校できるようになったとのことだ。


「はあ、また雨かあ」


 六月中旬ということもあり雨が多い。しかもタイミングが悪いことに三限目辺りから降り始めたので傘を持ってくるのを忘れてしまった。天気予報見るの忘れてたなあと思いため息を付く。


「雨だとなんかあるの?」


 隣の席の越谷さんから声をかけられる。ため息をついている僕を心配してくれたのだろうか。


「いや、傘を持ってくるのを忘れちゃったからどうしようと思ってさ」


「ふ、ふ〜ん」


 何故か越谷さんがモジモジし始めた。トイレかと思ったので「休み時間終わる前にトイレ行ったほうがいいよ」と言ったら脳天チョップを喰らいました。


「そ、それじゃあさ」


「うん」


「わ、私、傘持ってきてるし、それに入ってけばいいんじゃない?」


「いや、それは越谷さんに悪いし教員室で借りられないか聞いてくるよ」


 越谷さんに迷惑をかけられないと思い提案したら二度目のチョップを喰らいました。一度目はデリカシー無いから分かるけど今回は何で!?


「まあ、アンタはそういう奴よ」


「そういう奴ってどういう奴なんだろう……」


 またため息をつくと越谷さんに鬼のような顔で睨まれたのでごめんなさいと平謝りをする。


「まあ、でも梅雨って何か気分落ち込むよね」


「まあ、でもで話飛ばされたのムカつくんだけど……、まあいいや、そりゃ雨ばっかりだと気分乗らないんじゃない?」


「何かこういう時にトラブルって降ってくる気がするんだよね」


「またマイナス思考ね。気にし過ぎなんじゃない?」


 この時、何気なしに呟いたこの悪い予感はすぐに当たっている事に気づくことになる。それは昼休みに起きた。


 そもそもの話でクラスカーストという言葉がある。学校のクラス内に置いて生徒間の序列が階層化しているというものだ。当然僕のような陰キャはクラスカーストは下の方にランクされ本条くんのようなクラスの中心人物は上のランクになるというものだ。

 僕がいる1ーAでもクラスカーストがある。男子は先程も言ったように本庄君、小川君などの中心人物がクラスのトップカーストだ。ただ、その本庄君がクラスの誰にでも優しいので男子間は割と平和に過ごせている。

 ただ女子間は違うらしい。女子のトップカーストは坂戸楓さかど かえでという女子で『女帝』と僕が勝手に呼んでいる。何故そう呼んでいるかというと他の女子をジュースを買いに行かせたり、宿題を勝手に写したりなど足蹴にしているのだという。

 僕がそんな情報を知ったのは本庄君と小川君と話ししているときに知ったためだ。そして同級生を足蹴にする、そんな彼女を本庄君はあまり好んではいないらしい。何故こんな説明をしたかというと昼休みにその坂戸さんから話しかけられたからにほかならない。


「春日部く〜ん、ちょっといいかな?」


 昼休み、トイレから教室に戻る時に声がした。別の春日部君がいるのかと思い僕はそのまま教室に戻ろうとしたらガッと肩を掴まれた。僕はピョーと鳴き声を上げて飛び上がる。なんだなんだと思い、振り返るとそこには僕の様子を見て怪訝そうな顔をした『女帝』坂戸さんが立っていた。


「さ、坂戸さん、なにか用かな?」


 僕は恐る恐る尋ねる。クラスの頂点である彼女とトラブルを起こしたくないためだ。


「う〜ん、ちょっとここだと話しづらいから〜、こっち来て!!」


 そういうと彼女は僕の腕を掴んで階段横のデッドスペースまで引きずりだされた。マジで何なんですかね……。


「ごめんね〜」


 手を合わせて謝ってはいるが反省しているようには見えない。ところで要件はなんだろう。


「それで話っていうのは?」


「う〜ん、聞き辛いなんだけど〜」


 モジモジしながら中々続きを話さないのでちょっとイラッとするが我慢して次の言葉を待つ。


「本庄君って〜」


「本庄君?」


「本庄君って彼女とかいるのかな?」

もしよろしければブクマや☆、いいね、感想いただけると幸いです。


またどんどん書いていければと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ