プロローグ~始まり~
初投稿です!
~プロローグ~始まり
〚魔王が復活する!!!〛
1人の男の声が大都市エデンに位置するレイヴィア城に響きわたる。
その声と同時にレイヴィア城は混乱に陥った。
大都市エデンを統治する王、ハイリア・ドラグナーは都市全土に魔法通信を行った。
『エデンの民よ!聞け!ついに我らが恐れていた大魔王が復活した!皆武器を持つのだ!我らが生きるための道を切り開くために、大魔王を討伐に向かうぞ!』
混乱に陥っていたレイヴィア城も王の一言で一気にやる気に満ち。
エデンの民も皆武器を取りレイヴィア城へと歩みを進めた。
魔法通信を終えたハイリア王は側近や兵士たちの間をすり抜け、とある場所に向かった。
レイヴィア城の地下にある研究所。王の側近すら知らぬ場所。
一見普通の壁に見えるがそれは魔法によるカモフラージュ。
魔力の微細な流れを見極める目を持つ者でなければ異変すら感じることのできない魔法だ。
ここ地下研究所では、大魔王復活に備え王が密かに研究を進め、様々な魔法具や液体などが散乱していた。
カビ臭く、薄暗い湿った地下研究所に入ったハイリア王はとある場所に歩みを進めた。
ガラス張りの四角い箱に入れられている1人の青年。
既にその青年は息絶えている。
王はその青年が入った箱に手をかざし。
「すまぬなルーク。もうこうするしかないのだ。我らは大魔王に負ける。未来はお前に任せた。」
そう言い1つの魔法陣を作り出す。
「あの大魔王にワシが勝つことは出来ん。やつは膨大な力を持っている。皆の命を魔法に変え1000年の間動きを封じることしか出来ん。」
王は続ける。
「過去も未来も、人間はこうやって大魔王を封じ込んでいく。やつを目覚めさせてしまったら人間は愚かこの世界が崩壊してしまう。エデンの民たちには悪いが、魔法になって貰うしかない。」
魔法陣が完成する。
「...ワシはこの連鎖を断ち切りたい。民の命を使う魔法などこの世に存在してはならない。そしていつまでも大魔王にこの魔法が通じるとも限らない。だから...。」
王は青年に向かい『転生』の魔法を行使した。
「お前がこの運命を断ち切ってくれ。俺は信じてるぞ。お前を。あの大魔王を倒してくれることを。」
箱に入っている青年の体が淡い光に包まれる。
次第に薄くなり、その箱の中の青年は跡形もなく消えていた。
「この魔法を使うのに実に数十年と時をかけた。あの時お前を死なせてしまったのはワシの誤算だった。唯一大魔王討伐に有力だったお前を死なせてしまった。ワシは大馬鹿者だ。...1000年後、お前がもう一度この世に息を吹き返す時、あの聖剣も抜けるかもしれん。」
王は散らばった魔法具や薬品を見ながら。
「頼んだぞ。ルーク・ドラグナー。」
~プロローグ~始まり 完
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