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婚約破棄から始まるとんでも異世界冒険譚~黒猫の騎士とポンコツ姫~  作者: トモモト ヨシユキ
7 カップリングで楽しい学園生活?
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7-13 ケンカは、やめて!

7ー13 ケンカは、やめて!


「なんで俺や先生は、無事だったわけ?」

俺がきくと先生が一瞬、言葉に詰まった。

「それは、たぶんだけど、私たちがまじっているからじゃないかしら」

はい?

俺は、アンナ先生をじっと見つめた。アンナ先生は、ふぅっと吐息をついた。

「私たちは、たぶん、ある古い血を持つ一族の末裔なんじゃないかしら」

「古い一族?」

「そうよ。古の『流れ者』を倒した一族、そして、かつて世界を支配していた者たち」

アンナ先生が俺に話した。

「今では、名も知られることのない者たち、ただ、古い者たちとか、あるいは、古代エルフとか呼ばれることもある者たち」

あれ?

俺は、小首を傾げた。

前にどこかで誰かが言ってなかったっけ?

古いエルフの血・・

俺の中でラニがもぞりと動いた。

そうだ!

『賢者の石』を造った人々、かつての『賢者の石』の宿主だったアトラスたち。

「俺、知ってる」

俺は、アンナ先生に言った。

「その一族の人のこと」

「しっ!」

アンナ先生は、唇に指を押し当てた。

「その名を言ってはいけない。いい?ガーランドさん。いや、ネイジア。あなたの知っているその人のこと、誰にも言わないで。いい?」

アンナ先生は、俺に囁いた。

「この世界には、私たちが知っている光の世界じゃない、闇の世界が存在するのよ、ネイジア」

「闇の世界ってなんだよ 」

俺がきくとアンナ先生は、何事もなかったかのように微笑んだ。

「もう、この話は、おしまい、よ、ネイジア」

アンナ先生は、笑顔なのに目が笑っていないあの表情を浮かべた。

「私の玉の輿の邪魔をする者は、誰であっても地獄に送ってやるからね」

はい?

アンナ先生は、俺に言った。

「このお話は、もう、おしまい。あなたも忘れなさい、ネイジア。いいわね?」

先生は、その後、俺たちを解放した。

そして、俺にあのフェンリルを渡すとウインクした。

「これは、あなたの力になるでしょう、ネイジア。連れていきなさい」

俺は、フェンリルの子犬を抱いて部屋へと戻った。

なんだろう。

胸がもやもやする。

部屋に戻った俺のところへ、クロの奴が来てキティに言った。

「少し、外してくれるか?」

「はい?」

「いいから、出てろ!」

涙目になって俺の方を窺うキティに俺は、頷いた。

キティは、転がるようにして部屋を出ていった。

クロは、俺と2人きりになると、いきなり俺に壁ドンしてきやがった。

「あの女先生となんの話をしていたんだ?メリッサ」

「クロ」

俺は、アンナ先生からきいた話をした。

クロは、俺を壁ドンしたまま耳元で囁いた。

「なんであれ、お前を守ることが俺の存在理由だ。忘れるな、メル。お前は1人じゃない」

「その通りだ」

クロの背後からアル兄の声が聞こえてきて、俺とクロは、驚いて振り向いた。

アル兄は、くいっと顎をしゃくって言った。

「今、キティから聞いてね。様子を見にきたんだが」

アル兄は、クロと俺の間に割り込んでくると言った。

「よくはわからないが、俺は、メルがなんであれ、メルを愛する」

「ちっ!チビが!」

クロが舌打ちしてアル兄を睨み付けると、アル兄もそれを受けてたった。

「それは、こっちの台詞だ。駄猫め」

ええっ?

俺は、睨みあっている2人を前に思っていた。

2人とも、そんなことしてる場合じゃねぇんじゃね?

マジで、やめてぇっ!


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