1-4 突然の告白タイム？
１ー４ 突然の告白タイム？
ん？
なんか、寒！
俺は、目覚めると草むらに寝転がっていた。
というか。
俺は、自分の両手を目の前に持ってきて見つめた。
小さい？
俺の両手の平は、すごく精巧に作られた人形の手のように小さくて美しかった。
俺は、回りを見回した。
背丈の異様に高い草が生い茂った場所に俺は、ほぼ全裸で、わずかに薄い布１枚に包まれて横たわっていた。
ええっ？
どうなってんの？
俺は、もう一度、両手を見つめた。
もしかして俺、縮んでるのか？
俺は、ふと、猫頭の言っていたことを思い出していた。
新しい人生を。
そう、あいつは、言っていた。
そうか。
俺は、納得していた。
俺は、生まれ変わったんだ！
でも、これは、どういうシュチュエーションなわけ？
俺は、もう一度、辺りを見回した。
辺りは、夜らしくて暗く、月も出てはいなかった。
星だけが無数に夜空を彩っている。
夜空は、美しかった。
こんなに美しい夜空を見るのは初めてだ。
だけど。
どう考えても、この状況は、おかしいだろう。
俺は、もう一度、この状況を整理してみることにした。
夜空が、きれいで(外にいるわけだった)
寒くって(俺、ほとんど裸？)
草むらに寝かされてる(夜にこんな赤ちゃんをか？)
極めつけに、回りには、誰も人影がなかった。
つまり、この状況は・・
俺、捨てられてる？
マジかよ！
俺、生まれ変わっていきなり、捨てられてんのかよ！
親は、どこだ？
俺は、大声を出した。
「誰か！」
だが、うまく舌が動かなくって、俺は、ただ大声で泣きわめいていた。
どうしろってんだよ！
俺、人生最大のピンチじゃねえか！
ぎゃんぎゃん泣きわめいていたら、何かが近づいてくる気配がした。
「うるさいな」
ぬっと暗闇から現れた黒い影は、俺のことを覗き込んで言った。
「死にたくなければ、今すぐ、黙れ！このガキが！」
その黒い生き物は、俺に命令した。
俺は、黙り込むと、その影を凝視した。
それは、黒い猫だった。
あれ？
もしかして、こいつは・・
「もしかして、お前、あいつ、か？」
その黒猫は、冷たい鼻面を俺の体に押しあてながらクンカクンカと俺の匂いを嗅いだ。
「この匂い・・間違いないあんた、あいつ、なのか？」
あいつ？
あいつって、誰だよ？
俺は、問いかけるようにその黒猫を見上げた。
黒猫は、ふん、と鼻を鳴らした。
「あいつは、あいつ、だ。よく俺に餌をくれたくせに、最後まで俺のことをモフリもしなかったあの男のことだよ！」
モフリもって、何？
俺は、半笑いできいた。
お前、もしかして、俺にモフッて欲しかったのかよ？
黒猫は、こくこくと頷いた。
「俺は、あいつのこと、なんていうか・・あ、いしてた、から」
はい？
マジですか？
