5-1 サバイバルなの?
5ー1 サバイバルなの?
それからの日々は、瞬く間に過ぎていった。
俺たちは、まず、森の近くに生活するための家を造ることにした。
俺は、空想図鑑で家の作り方を調べた。
うん。
まずは、柱と板が必要だな。
俺は、3人の男たちに頼んで森から木を切り出してきてもらった。
それを俺は、木材加工し、柱と壁になる板を作っていった。
組み立ては、クロと男たちに任せた。
俺って、まだ非力な子供だからな。
屋根は、草原に生えていた茅のような植物を蔦で縛ってふいた。
なかなか立派な家ができたな。
家の外に釜戸も作った。
煮炊きはできないけど仕方がない。
俺は、海岸へと向かった。
海辺は、今までこの島から流れ込んだ腐った土のせいで水が黒く濁っていた。
俺は、すでにボロボロのスカートをまくりあげて黒い汚れた海へと入っていった。
「浄化する」
俺は、目を閉じて呟いた。
すると、俺の周囲の海から青く澄んだ水へと変わっていった。
それだけじゃない。
激しく打ち寄せていた波が、穏やかに凪いでいく。
おかげで俺たちは、海に入って魚や貝をとることができた。
森からは、木の実やキノコ、山菜がとれたし、海辺では、魚や貝がとれたし、何より、塩を作ることができた。
俺たちは、毎日、海の幸山の幸のご馳走満腹コースだったため、気がつくとここに来る前より丸々と肥太ってきて健康的になっていた。
いや、なんか、ヤバいだろ!
俺たちは、木を加工していくつか武器を作ると、それで毎日戦闘訓練を始めた。
言っておくけど、別に、ダイエット目的なんかじゃない。
あくまでも、次に空船が来たとき、俺たち4人と1匹でその船をシージャック?するための訓練だ。
俺たちの計画は、1ヶ月に1回この島を訪れるという空船が罪人たちを島に降ろすときを狙って、船に奇襲をかけるというものだった。
そして、その船で一路グリナンデ王国を目指すと見せかけて、途中下車した俺とクロがサイナス辺境伯の領内にあるミランダおばさんのダンジョンへと向かう。
計画を実行する上での合言葉は、『命を大切に』だ。