表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄から始まるとんでも異世界冒険譚~黒猫の騎士とポンコツ姫~  作者: トモモト ヨシユキ
3 婚約破棄から始まるワクワクスローライフ?
21/216

3-5 別たれる時

3ー5 別たれる時


この王都の屋敷は、母様の実家だということを俺は、翌日の朝知らされた。

母様は、昔、別の婚約者がいたのにも関わらず、父様と恋に落ちて駆け落ち同然に結婚したらしい。

だから、俺たちは、母様の実家を訪れたことがなかった。

だが、母様の父親である人、まあ、俺にとっては、義理のじいちゃんにあたる人物には、幼い頃から何度か会ったことがあった。

俺が初めてじいちゃんに会ったのは、まだ3才の頃のことだった。

覚えているのは、庭で1人遊んでいたこと。

そこに突然現れた白髪の背の高いじいちゃんに、俺は、驚いていきなり炎の礫をじいちゃんに向かって放った。

じいちゃんは、眉毛1つ動かすことなく俺の放った礫をかわすと、俺に近づいてきて覗き込んだ。

「この子は、混じっとるな」

じいちゃんは、俺のことをその不思議な、深い海の底を思わせるようなブルーの瞳で見つめた。

「これは・・エルフ、か?それもうんと古い血筋のもののようだが。それにしても、この年で無詠唱でこれだけの魔法を使えるとは、危ういな。実に、危うい」

「俺・・」

俺は、恐る恐るじいちゃんに聞いた。

「どこか、余所に行かなきゃダメかな?」

「なんだ、余所に行きたいのか?」

じいちゃんは、俺に問いかけた。俺は、頭を振った。

「嫌だ。ここがいい」

「なら、ここにいればいいだろう」

その後、俺は、じいちゃんの命でアル兄と一緒に家庭教師について学ぶことになった。

「まだ、3才なのに」

母様が溜め息をついたら、じいちゃんが咎めるように言った。

「例え、幼くとも竜は竜だし、獅子は獅子だ。相応の育て方というものがある」

それから、俺は、ずっとアル兄と一緒に学んできた。

勉強だけじゃなく、剣や、魔法も。

だけど、ずっと一緒じゃいられない。

来年には、アル兄は、王都に出てきてここの魔法学園に入学するだろう。

そうなれば、俺とは、もう一緒にはいられない。

今回の王都への旅は、アル兄の学校の下見でもあることを俺は、薄々知っていた。

そして、たぶん、アル兄も。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ