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婚約破棄から始まるとんでも異世界冒険譚~黒猫の騎士とポンコツ姫~  作者: トモモト ヨシユキ
17 ダンジョンと奴隷と支配者の関係
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17-4 笑う剣聖

17ー4 笑う剣聖


「ぷぷーっ!」

突然、ライナスが吹き出した。

「ま、魔王様が、おもてなし・・・」

マジか?

ライナスは、ゲラゲラ笑い転げていた。

ええっ?

俺たちは、お互いの顔を見合わせた。

こいつ、どんだけ笑いの沸点が低いんだ?

やはり、長い間世間から隔離されて1人でいると人が話してるの見るだけでも満足なのかも。

1人で笑い転げているライナスを冷ややかに見つめて、俺たちは、じっと立ち尽くしていた。

息を乱して、苦しげに吐息をつくと、ライナスは、取り繕うようにごほん、と咳ばらいをした。

「では、次の階層へいくがいい。勇者・・ぷぷっ!」

ライナスは、まだ、笑い続けていた

俺たちは、すっかりしらけてしまっていた。

そんなに笑えたのかよ?

ほんとに、この人、偉い人なの?

ライナスは、苦しげに腹を抱えて笑いながら、俺たちに何もない海原を指し示した。

はい?

俺は、ライナスを見た。

すると、ライナスが、目尻に零れた涙を拭った。

「あれが、次の階層への扉だ」

ええっ?

俺は、何もない空間を凝視した。

うん。

何も、ない。

「どういうことだよ?心のキレイな人にしか見えない妖精みたいな扉かよ?」

「ぷぷーっ!」

また、ライナスが吹き出した。

「心のキレイな人しか、見えない⁉️」

ライナスは、笑い転げていた。

ほんとに、俺は、心配になってきた。

この人、大丈夫なの?

ライナスは、俺たちのことを忘れたかのようにただ、笑っていた。

やっと、落ち着いたらしいライナスが呼吸を整えながら、もう一度、俺たちに前方を指差してみせた。

「あれが、次の階層への入り口だ」

彼女の指差す方へ、扉が現れた。

「では、行くがいい、勇者・・ぷふぅっ!」

ライナスは、吹き出しながら、俺たちを促した。

「行け、勇者・・たちよ!」

笑いを必死に堪えながら、ライナスは、俺たちに言った。

「次の階層へと進むがいい!」

俺たちは、促されるままに扉を開いた。

すると、ドアが開いた瞬間に、俺たちの頭上から金だらいが落ちてきて、思いっきりクロの東部にヒットした。

「いてっ!」

こうなると、もう、ライナスは、ダメだった。

地面に伏して、静かに肩を震わせて笑い続けている。

ええっ?

この人、もしかしてずっとこのいたづらを仕掛けて人が来るのを待ってたの?

マジかよ!


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